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韓国・文在寅大統領、支持率急降下でも「日本叩き」に走らない理由

韓国の歴代政権とは違って…

意外にも「日本批判」を展開せず

8月15日、韓国は日本の朝鮮半島地からの解放を祝う75回目の光復節を迎えた。ソウル・東大門(トンデムン)で行われた記念式典で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が演説を行った。

演説の大半は、新型コロナの感染拡大や、最近韓国各地で起きた大規模な水害など、市民生活を気遣ったものだった。

相変わらず関係改善の糸口がつかめない日本に対しては、口ぶりに変化はなかった。「国民とともに、日本の輸出規制という危機に打ち勝った」「むしろ、何者も揺るがすことのできない国に跳躍する機会になった」などと語り、日本の輸出管理措置の解除を求める企業関係者らの声は紹介しなかった。

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徴用工判決に基づいて差し押さえられた日本企業資産の現金化への対応について、文大統領が何を述べるかが注目されていたが、「判決は韓国の領土内で最高の法的権威と執行力を持つ。政府は判決を尊重し、被害者が同意できる円満な解決策を日本政府と協議してきたし、現在も協議の門を広く開けている。いつでも日本政府と向き合う準備ができている」と語っただけだった。

一見対話の姿勢は見せているものの、中身をみれば、日本政府が、韓国側に責任を持って解決するよう求めていることには何も答えていない。むしろ、日本を激しく批判しない分、解決への熱意が乏しいようにさえ見えた。

その前日の14日は、国が定める記念日「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」だった。文大統領は記念式典に寄せた映像メッセージで「問題解決の最も重要な原則は被害者中心主義だ」と語ったが、日本に対する直接の批判や要求はなかった。

14日、15日の文大統領の演説やメッセージを聴く限り、ただでさえ低かった日韓関係に対する関心が、ほとんど消えかけているようだ。この姿勢は、一部の専門家には意外な動きと受け止められた。韓国の歴代政権は任期後半になって支持率が下がってくると、日本批判を展開して世論の関心を集めようとする傾向があるからだ。