原爆投下にこだわったトルーマン大統領〔PHOTO〕Gettyimages

日本への原爆投下は必要なかった…アメリカで急拡大する「新たな考え方」

それは「歴史修正主義」と言われている

アメリカに起きている変化

なぜ、アメリカは原爆を投下したのか?

そう問われたら、アメリカ人の多くはこう答えるだろう。

「ハリー・トルーマンが原爆を投下したのは、できるだけ早く戦争を終わらせ、日本本土侵攻により、100万人もの米兵の命を犠牲にしたくなかったからだ」

トルーマン大統領〔PHOTO〕Gettyimages
 

原爆は戦争を早期に終結させるのに必要だった。アメリカ人はハイスクールの歴史の授業で「原爆投下の正当性」をそう教えられてきた。

元大統領補佐官のジョン・ボルトン氏も、オバマ元大統領が2016年5月に広島を訪問した際、フォックスニュースのインタビューで「原爆投下の正当性」を主張している。

「トルーマンがしたこと(原爆投下)は、私からしてみれば、軍事的に正しかっただけではなく、道徳的にも正しかったのです」

しかし、アメリカでは常識となっているそんな歴史に“NO” を叩きつけるような「戦争を終結させるのに原爆は必要なかった論」を米紙ロサンゼルス・タイムズは近年掲載している。

「原爆は必要なかった」という考え方は、アメリカが従来教えてきた歴史を修正するような「歴史修正主義」的な考え方であると指摘する専門家もいる。歴史修正主義とは、歴史家に共有された通説から離れ、自身のイデオロギーに沿った独自の解釈をすることを指す。

「原爆必要だった論」を信じる専門家は「広島に原爆を投下するより前に、日本が降伏を決めていたとする証拠はない」と指摘し、そうした専門家のなかには「原爆必要なかった論」を「歴史修正主義」とみなす者もいるというわけだ。