都立高校でツーブロックを禁止する理由について、東京都教育委員会での答弁が話題になった。黒髪、制服、ヘアスタイル、下着の色まで細かく定められている学校は多い。かたや、名門麻布中学・高校には金髪に染めた学生がいてもいいというのは有名な話だ。校則とは何か。誰のためのもので、何を目的としているのか。
ジャーナリスト島沢優子さんによる連載「子育てアップデート~子どもを伸ばす親の条件」で、その問題点を分析する。

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炎上した「ツーブロック禁止」の理由

毎日、本当に暑い。
「暑いから、髪形をツーブロックにしようかな。涼しいし」と息子が言い、家族は皆賛成する。中高年の夫が「俺もツーブロッ……」と言いかけるが、皆「ない、ない、ないわー。似合わない」と止める。
「人権侵害だーっ」と叫ぶ夫に、皆笑う。
これは家族内のジョークだが、高校生はこれを校則で禁止されている。

ツーブロックはたとえばこんな感じのヘアスタイル Photo by iStock

この7月。共産党都議団の池川友一都議が、都立高校でツーブロックを禁止している理由について東京都教育委員会の藤田裕司教育長に尋ねた議会委員会での答弁が話題になった。

「外見等が原因で事件や事故に遭うケースなどがございますため、生徒を守る趣旨から定めているものでございます」

ございますため、ございます、と、言葉は過度に丁寧だが、校則の定め方はあまりにも乱暴ではないか。
答弁した動画はTwitter上で4日間に実に600万回近く再生され、「事件や事故に遭ったケースを教えて」「根拠を示せ」と大いに話題になった。テレビやネットで、ツーブロック禁止は「ブラック校則」として取り上げられ、都立高校に存在するほかの理不尽な校則も次々伝えられた。私の記憶に残っているものを並べてみよう。

・生まれつき髪の色が明るい生徒に自毛の色を届けさせる
・ベルトは黒の無地で革製でないといけない
・テスト中の膝掛けを禁止
・学校に家からカップ麺を持ち込み、お湯を注いで食べてはいけない
・制服でのメディア出演禁止

「自毛証明書」の発行がいまだに続いていることや、カンニング予防の「テスト中のひざ掛け禁止」など、生徒を信用しない学校側の姿勢からくるものが目についた。