「使ってもムダな人」が大多数!話題の健康食品の効果を検証してみた

急増する「尿酸値」改善商品のからくり
高橋 久仁子 プロフィール

異なる2つの効能書き

〈5〉アンペロプシン(ampelopsin)とキトサン(chitosan)

アンペロプシンもまたフラボノイドであり、ジヒドロミリスチンともよばれる。ヤナギ科やクロウメモドキ科、ブドウ科などの植物の葉に含まれるという。

キトサンは、カニやエビの殻の主成分であるキチンをアルカリ加水分解して生じるグルコサミンの重合物である。

この2つの物質を関与成分とする2商品はともにFA社製だが、届出表示は異なる。届出日が2018年度の商品は「……尿酸値が高め(尿酸値6.0~7.0mg/dL)の方の尿酸値を下げる機能があります」だが、2019年度の商品はその文言に続けて「また、食事のプリン体による尿酸値の上昇を抑える機能があります」が追加されている。

科学的根拠である「ヒト試験」について、前者は12週間の継続摂取研究の論文(引用・参考文献5、以下論文5)を、後者はそれに加えて単回摂取試験の研究論文(引用・参考文献6、以下論文6)を挙げている。

これらの「ヒト試験」では、藤茶エキスに含まれるアンペロプシンが使われている。藤茶とはブドウ科ノブドウ属の植物らしく、その葉にアンペロプシンが含まれているとのこと。

【写真】アンペロペプシンを多く含むと言われるブドウ科ブドウ属の植物の葉ブドウ科の植物の葉にはアンペロプシンが多く含まれるといわれる photo by gettyimages

「尿酸値を下げる機能」とする論文5の内容

被験者選定時の血清尿酸値が6.0mg/dL以上7.0mg/dL以下の男性80人を2群に分け、試験群は関与成分(アンペロプシン150mg+キトサン100mg/4粒/日)を含有するカプセルを、対照群は関与成分を含まないカプセルを12週間、継続摂取。摂取開始時、4週、8週、12週後の血清尿酸値を測定した。

実験結果には、血清尿酸値ではなく、血清尿酸値の変化量が示されている。試験実施計画書に適合する被験者(試験群37人、対照群39人)のデータ解析では、摂取12週後の変化量は試験群が0.14mg/dL減、対照群が0.28mg/dL増で、この差は有意とのこと。なお、データ解析対象者の被験者選定時の血清尿酸値は試験群6.67mg/dL、対照群6.63mg/dLだった。

「プリン体摂取による尿酸値の上昇を抑える」とする論文6の内容

単回摂取、かつクロスオーバー試験である。

被験者選定時の血清尿酸値が5.0mg/dL以上7.0mg/dL以下の男性48人を2群に分け、プリン体負荷食品として酵母RNAを4g(プリン体含有量として794.4mg)含む錠剤を水200mLと一緒に摂取した直後に、試験群は関与成分(アンペロプシン150mg+キトサン100mg/4粒/日)を含有するカプセルを、対照群は関与成分を含まないカプセルを100mLの水とともに摂取。摂取0分から60分ごとに240分まで採血し、血清尿酸値を測定した。

1週間の空白期間の後、試験群と対照群を入れ替え、前回と同様の摂取試験をおこなった。

試験実施計画書に適合する被験者43人の解析では、プリン体負荷後の血清尿酸値の変化量、ならびに血清尿酸値上昇曲線下面積ともに試験群と対照群とのあいだに有意差なし。

次に、この43人のうち、プリン体負荷時に測定した空腹時血清尿酸値が被験者選定基準値(5.0mg/dL以上7.0mg/dL以下)に該当しなかった被験者10人を除いた33人で再解析した結果、プリン体負荷後180分と240分の血清尿酸値の変化量が、試験群は対照群よりも有意に低値(180分:1.16mg/dL対1.26mg/dL、240分:1.10mg/dL対1.21mg/dL)であり、血清尿酸値上昇曲線下面積も試験群は有意な低値を示したとのこと。

しかし、これを読んで驚いた。