「としまえん」とは何だったのか?「世界初・日本初」を連発したその歴史

「史上最低の遊園地。」閉園の喪失感
田中 ひかる プロフィール

「日本初」「世界初」を連発

園内に最初に設けられた遊具が「ウォーターシュート」である。

名前を言われてもピンとこないかもしれないが、10人程の客を乗せた平底ボートが、高所から傾斜面を一気に滑り降り、水しぶきを上げて池に着水、その瞬間、ボートの先端に立っている船頭さんがハイジャンプをするというアトラクションをどこかの遊園地で見たことはないだろうか。

1895年にアメリカの遊園地に設置されたのが最初で、日本では1900年代(明治時代後半)に数回、勧業博覧会において期間限定の営業を行っている。常設での営業は「豊島園」が最初だった。その後、「向ヶ丘遊園」(2002年に閉園)や「西武園ゆうえんち」など日本各地の遊園地に設けられ、人気を博した。

「ウォーターシュート」といえば“船頭さんによるジャンプパフォーマンス”というイメージがあるのだが、それは当初から行われていたわけではないようだ。1938(昭和13)年頃に現在の和田堀公園(杉並区)に設けられた「ウォーターシュート」で初めて披露されたという説がある。

1927年に導入された日本初の「ウォーターシュート」
 

一時は超人気アトラクションだった「ウォーターシュート」も時代とともに廃れ、「八景島シーパラダイス」が廃止したのを最後に姿を消した。2005年のことである。

「としまえん」はほかに、世界初のインドアスキー場(1958年)、世界初の「流れるプール」(1965年)、日本初の大型ウォータースライダー(1988年)を設置するなど、「日本初」「世界初」を連発した。今や遊園地やテーマパークでおなじみの「フリーパス」を日本で最初に導入したのも「としまえん」である。