Photo by iStock
# SNS

SNSで「セックスワーク論争」を燃え上がらせる、“真犯人”の正体

ジェンダー依存、という「死に至る病」

その実態は「論争」ではなく…

コロナ禍により、「夜の街」がメディアで取り上げられる機会が増える中、SNS上でセックスワーク=性風俗や性産業の是非をめぐる論争が頻繁に行われるようになった。

セックスワークの問題は、公の場で語りにくい問題であると同時に、ジェンダー・労働・差別・貧困などの様々な論点が絡む、センシティブな問題でもある。「迂闊な発言をしてしまうと、SNS上で袋叩きに遭うのでは……」「怖いので、なるべく近づきたくない」と感じている人も多いだろう。

Photo by iStock
 

無知や偏見に基づく誤解、そして多くの人の共感や反発を生みやすいテーマであるため、セックスワークをめぐる議論は、SNS上でヒートアップしがちである。

言うまでもなく、性産業や性労働に対してどのような思想信条・主義主張を持つかは、個人の自由である。性産業撲滅論を唱えたい人は唱えればよいし、セックスワーカーの権利擁護を主張したい人はそうすればいい。それだけの話だ。

しかし、SNS上におけるセックスワークに関する議論は、意見の異なる相手に対して、議論の枠を超えた過度の批判や言葉の暴力=印象操作や誹謗中傷、ネットリンチや人格攻撃などの嫌がらせに発展しがちな傾向がある。この傾向は、インターネットの黎明期である90年代末から2020年の現在に至るまで、四半世紀近く変わっていない。

表面的に見れば、現在のSNS上で起こっていることは、「性産業撲滅派」と「性労働の権利擁護派」との論争に思える。

しかし、その実態は「論争」ではない。私自身、この四半世紀の論争をリアルタイムで見続けてきたが、時代は変わっても、セックスワークをめぐる論争の構造とその不毛さは、ほとんど変わっていない。今も昔も、同じような属性の人たちが、同じような内容の議論を、同じようなロジックを用いて延々と繰り返している……という状況が続いている。