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なぜ「自慢げにITオンチを語る人」は、自分がお荷物なことに気づかないのか

組織のDxを阻む「偉いおじさん問題」

今回のコロナ禍でも露呈した日本のIT後進国ぶり。かけ声はよく聞く企業のDx(デジタルトランスフォーメーション)にしても、新規事業にしても、その根本には同じ「企業の偉い大人たち」の問題がある。シリコンバレー在住のコンサルタント海部美知氏の新刊『シリコンバレーの金儲け』の一部を要約してお届けする。

どこまで失敗できるか

新規事業をやるにあたって、日本企業に欠けていると思われるのが、「失敗の許容範囲」の設定です。VC(ベンチャーキャピタル)では、一つひとつの投資先ベンチャーが成功するか失敗するかという点よりも、複数の投資先ベンチャーのうちいくつかが成功すればよい、という「ポートフォリオ」の考え方で臨みます 。

アメリカの事業会社では、新規事業を開拓する場合「どの程度の失敗までは許容するのか」 「失敗と成功を組み合わせた上で、いつまでにどのぐらいのリターンを期待するのか」ということを決めてから動きます。

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日本企業の場合、この「許容範囲」の定義が全くない、または曖昧なケースが多く、ここは改善の余地があります。

ベンチャーや新事業の場合、「絶対失敗しない」ということはありえず、「試行錯誤」「PDCA」が不可欠です。かといって、「無駄を覚悟で好きなように」と言うと、今度は安易に際限なくリソースをつぎ込んでしまうことになりかねません。そこで、ポートフォリオである程度の指標を設けたりすることがよく行われます。

ベンチャーだけではありません。アマゾンやグーグルなどは、新しい実験的なプロダクト を次々と始めますが、ダメだとわかると、すでにお客さんがいようが、メディアでバカにされようが、サッサとやめてしまいます。迅速にPDCAを回すのを重視しているのです。

もちろん「グーグルの新サービスはいつまで続くか信用ならない」といった批判があるのも事実で、このやり方が万能なわけではありませんが、一つの考え方です。