新型コロナの影響で注目を集めている「マッチングアプリ」。スマホ一つで新たな出会いを探せるため、婚活の主流となりつつあります。

FRaU webでは、実際の取材に基づいた「アプリ婚活」のリアルを、共著作家の山本理沙さんと安本由佳さんによってノンフィクション小説としてお届け。アプリの「モテ技」テクニックも満載です。

主人公はコロナ禍で孤独を極め、本気でアプリを始めたアラサー男女。「結婚とは」「幸せとは」について見つめ直していくなかで、果たして二人はベストパートナーにたどり着けるのでしょうか?

【これまでのあらすじ】
結婚に焦る武田留美(32歳)はマッチングアプリを始め年下の商社マン・直彦と出会うが、彼の不器用さゆえに口論となってしまう。その後出会ったハイスペ医師もストーカーと化し、疲弊する留美。さらに直彦がランキング1位のさくらとデートする予定だと聞き、対抗心を刺激されるのだった。
これまでの連載「本気でアプリを始めたら」を読みたい方はこちら

本気でマッチングアプリに挑む女

「ねぇ、アプリでランキング上げる方法教えて!」

留美は高級ブティックが立ち並ぶ表参道を闊歩しながら、苛立たしげに徳光に電話をかけた。

「まぁいいけど……受講料は?」

スマホ越しに、徳光の卑しくほくそ笑む顔が目に浮かぶ。

「わかった。焼肉でいい?六本木に集合ね」

電話を切るとタクシーを捕まえ、すぐにマッチングアプリに向かう。ランキング画面を開くと、『さくら 26歳』はすぐに見つかった。

5000本近い花束と共に、不敵に微笑む女。

――この子がランキング1位の女……。

たしかに目鼻立ちのくっきりした美人ではあるが、ならば他にも盛りに盛った写真をプロフィールに設定している女は沢山いる。

言ってしまえば、留美だって決して負けてはない。

32歳というハンデを差し引いたとしても、花束が数百本に留まる自分とランキング1位を誇る女の差は一体何なのか。

この理由は必ず解明しなければならない。留美は血気盛んに六本木へ向かった。