長い年月をかけて北欧が築き上げてきた現在の姿や、そこに根を張り暮らしている人々の生の声。触れたことのない世界を届けることで、誰かの未来の選択肢、そして人生の可能性を広げる活動がしたいと、2020年から北欧(フィンランド・デンマーク)を拠点にフリーライター/PRとして活動する小林香織さん。

2014年に13年間のOL生活からライターへとキャリアチェンジ。デンマークでは国際的なフォルケホイスコーレで、現地の文化や英語を学んだ小林さんの連載、第2回目はデンマーク人の両親に国際養子として引き取られ、デンマークで暮らす中国人女性をインタビュー。

国際養子の目的は、時代とともに変化

デンマークには、韓国や中国、アフリカなどからの国際養子として引き取られ生活する人が一定数存在する。現在21歳、コペンハーゲンで暮らしデンマークの大学でITを学ぶアンナさんも、その1人だ。

中国で生まれたアンナさんは生後1ヶ月で、デンマーク人の両親に引き取られ、デンマーク人としてこの地で生まれ育った。両親や周囲の友達と明らかに見た目が異なること、デンマーク人のアイデンティティを持ちながらも時にデンマーク人だと認めてもらえないこと。

さまざまな葛藤を乗り越えてきたアンナさんだが、「養子であることを恥じたことは一度もない」と語る。本人にしかわかり得ない胸の内を聞いた。

国際養子としてデンマークで暮らすアンナさん(筆者撮影)

アメリやヨーロッパで国際養子縁組が始まったのは、1950年に始まった朝鮮戦争がきっかけだったと言われる。当初は戦災孤児や現地の女性とアメリカ兵の間にできたハーフの子供の救済が目的だったが、時が流れ貧困やさまざまな事情により実親が育てられない子供も国際養子として引き取られるようになった。

国際養子縁組の斡旋により養子斡旋団体が多大な利益を得ていることを指摘し、「養子縁組の産業化」を問題視する声もあるようだが、不妊治療の代替案として国際養子を引き取り、心が通い合う家族になる人もいる。