マンション「大崩壊」で、これから日本の「不動産市場」に起きるヤバいシナリオ

人の流れが「郊外」へ動き出した…!
沖 有人 プロフィール

マンションから戸建へ

こうして、先のリクルートの調査では、マンション志向から戸建志向に移った人が以前の調査より10%多く出現している。特にこの傾向は都区部から離れた郊外において、20~30代の若年層に顕著だ。30代では戸建志向に移った人が20%増えるに至り、マンション離れの傾向が進んでいる。

アンケート結果は実際の購買行動でも現実になっている。マンションの供給が半減しているのに対して、分譲戸建は例年並みに売れている。昨年12 月調査と比較して、「広さ派」が 10 ポイント増加 (52%)し、「駅距離派」が 10 ポイント減少 (30%)し、その結果として、「一戸建て派」が63%と7ポイント増加している。ちなみに、マンション派は22%と10%も減っている。

「駅近・タワマン」需要が根強かったが… photo/iStock
 

「郊外化」も加速へ…!

首都圏において通勤時間60分以内の持家世帯の割合は、2003年の51%から2008年には62%に急増した(住宅・土地統計調査)。2013年には65%まで上がったが、2018年は横ばいだった。この立地の変化を「都心回帰」と呼ぶなら、このトレンドは2013年に終わっていることになる。

新築分譲マンションは価格の高騰とともに供給が激減しており、2020年においては新築分譲の比率は戸建8対マンション2になりそうだ。このトレンドはコロナの終息を見ない限り続くとすると、次回の2023年の調査は郊外化の進展という結果になる可能性が出てきた。

こうした現象は過去にもあった。バブル経済時の地価高騰によって、都心から郊外に移り住むことは「ドーナツ化現象」と呼ばれた。都心部に人が少なくなり、空洞化するからこその名称である。今回の郊外化は、価格の高騰や働き方改革の推進などが背景にあるものの、「コロナ禍現象」と呼ばれることになるかもしれない。ウイズコロナにおいて、人の住まいに対する選択基準を変えたことだけは確かである。

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