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「ゴルフはゴロフ!」往年の格言を再現する最新「転がし」テクの奥義

集中連載「科学的ゴルフ上達法」第7回

ついに累計10万部を突破した、ゴルフ界の最新大ベストセラー『世界標準のスイングが身につく科学的ゴルフ上達法』シリーズ。

実践編の刊行を記念した、著者・板橋繁コーチへの連続インタビューも、好評のうちに第7回を迎えました。

今回のテーマは、スコアメイクに直結する転がしのテクニック。往年の名手が誇ったあの技が、誰でも再現可能になる魔法の打ち方とは?

最先端のスイング理論に基づいた「世界標準のスイング」でスコアアップを目指せ!

(取材・文/水品 壽孝)

「バルタスロールの死闘」

去る8月3日から8月9日にかけて、今年初となる男子メジャー大会、全米プロゴルフ選手権が開催された。

同大会の3連覇を狙うブルックス・ケプカ、昨年のマスターズを制し、復活を果たしたタイガー・ウッズをはじめ、世界ランキング上位の選手たちが顔を揃えるなか、日本からも松山英樹と石川遼が参戦。無観客試合ながら、世界中のゴルフファンの注目を集め、おおいに盛り上がりを見せた。

【写真】2020全米プロに参戦した松山、石川2020全米プロに参戦した松山(左)と石川 photo by gettyimages

数あるゴルフトーナメントのなかでも、海外メジャーは別格だ。

そして、オールドファンにとって忘れられないメジャーといえば、なんといっても1980年の全米オープンだろう。日本の青木功が、帝王ジャック・ニクラウスと4日間を通して同じ組でまわり、互いに譲らぬ熾烈な優勝争いを展開したからだ。

勝負のゆくえは最終盤までもつれたが、ニクラウスが17番と18番ホールで連続バーディを奪って、逃げ切った。開催地の名をとって、「バルタスロールの死闘」とよばれる伝説の名勝負だ。

興奮して叫ぶギャラリーをニクラウスが制し、青木に残り50cmの最終パットを打たせたシーンはいまも語り草になっている。

帝王をうならせたショートゲーム

青木はこの試合、ニクラウスをして「100ヤード以内なら世界一」と称賛せしめた得意のショートゲームを武器に、ニクラウスに食らいついた。

圧巻だったのは10番ホールのパー4。ニクラウスがピンそば約1mのバーディチャンスにつけたのに対し、青木の第2打はグリーン奥のラフまで転がり、大ピンチを迎えた。

しかし、青木は得意のランニングアプローチでチップインバーディを奪い、ニクラウスの独走を許さなかったのだ。

青木の口癖は、「ゴルフはゴロフ」──。

ランニングアプローチこそ、最もやさしくてミスの確率が低くすむうえ、チップインする確率も高い。そう考えて、ボールを転がせる状況であれば、徹底して転がしてカップに寄せにいく──。そんな青木流アプローチが真骨頂を発揮した一打だった。

青木のように、グリーン周りでは、ランニングアプローチを選択するアマチュアは少なくない。しかし、このランニングアプローチ、距離感を出すのが意外と難しい。ボールをヒットする強さで距離感を合わせなくてはいけないため、かなりの練習量が必要とされるからだ。

では、練習量の少ないアマチュアでも「失敗しない転がしのテクニック」は存在しないのか?

虫のいい相談を板橋氏に持ちかけると、あっさりと答えが返ってきた。

「ブラッシングアプローチがあります」

ブラッシング!?