8月22日 フランスの物理学者ドニ・パパン誕生(1647年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1647年の今日、フランスの物理学者ドニ・パパン(Denis Papin、1647-1712)が誕生しました。

 

彼は蒸気機関の発明に先鞭をつけたことで知られます。

ドニ・パパンの肖像 Photo by Getty Images

フランスのユグノー(カルバン派プロテスタント)の家庭に生まれたパパンは、大学卒業後に空気ポンプの研究を始めました。オランダのホイヘンスやイギリスのロバート・ボイルといった先達の助手として学びながら、彼は物理学者としての経験を積んでいきました。

ロンドン滞在中に、彼は蒸気圧を利用した圧力調理器を発明し、「消化をしやすくするもの」という意味で「ダイジェスター」と名付けました。このダイジェスターは現在の圧力釜の原型となりました。

ところが、パパンの生涯は科学と関係のない理由のために翻弄されます。1685年、「太陽王」ルイ14世がナントの勅令を廃止し、ユグノーの権利を剥奪するとフランスはカトリック教徒中心の体制に逆戻りし、パパンは亡命を余儀なくされたのです。

亡命先のドイツで、パパンは蒸気の力を利用した動力装置を開発し、これが蒸気機関の原型となりました。圧力調理器の経験を生かした発明でした。「科学に国境はないが、科学者には祖国がある」とは19世紀の病理学者ルイ・パスツール(Louis Pasteur、1822-1895)の名言ですが、パパンは祖国を追われてもなお、後の世まで利用される偉大な発明を成し遂げたのです。

パパンによる圧力調理器・ダイジェスター Photo by Getty Images