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ゴーン逃亡を裏で手引きした、民間軍事会社「PMC」の正体

徹底したリサーチに完璧な実行力

ゴーン逃亡で話題になった民間軍事会社(PMC)。元グリーンベレーも多数在籍する会社で、と聞いてもどうもピンとこない。映画の中の世界かと思いきや、すでに日本でもその活躍は無視できないものになっているという。そのリアルを元海自特殊部隊員、伊藤祐靖氏に聞いてみた。

ゴーン被告の逃亡を助けた者たち

私は、海上自衛隊に20年ほど所属し、前半を軍艦乗りとして、後半を全自衛隊初の特殊部隊である海上自衛隊「特別警備隊」に創設から足かけ8年携わった。

2等海佐の42歳のとき、2007年に特殊部隊員の仕事を最後に自衛隊から退官し、しばらくの間、フィリピン、ミンダナオ島で暮らし、自分を磨き直そうとした。

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現在の私が持つ戦術的な思想と技術は自衛隊の特殊部隊で身に付けたというより、そこで習得し、完成されたと言えるかもしれない。その後は、警備会社等のアドバイザーを務めるかたわら私塾を開き、国内では現役自衛官らに自らの知識、技術、経験を伝えている。世界に向けては各国の警察、軍隊への指導に招かれれば、巡ることにしている。

そんな、単なる元特殊部隊員に過ぎない私は、情報分析をする任にはないが、世の中の推移を予想し、それを的中させることを職業にしている知人がいて、一緒に仕事をした経験は少なからずある。

最近では、日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告の国外逃亡の報道で、PMC(Private Military Company=民間軍事会社)の存在を知った方々も多いだろう。

PMCは単なる警備会社とは違い、戦闘や要人警護、軍事教育や兵站まで、軍事的なサービス全般を行う組織だ。当然そのための情報収集を行っている。発祥はイギリスで、世界最大規模の『G4S』もイギリスに本拠地を置く。この『G4S』は日本にも支社があり、世界中90カ国に展開する大規模な企業組織だ。