家庭内感染によって、新型コロナにかかる人が増えている。感染経路が判明した東京都内の新規感染者のうち、家庭内での感染が7月下旬以降は増加傾向にある。
7月29日から8月4日までの1週間では、家庭内で感染した数は239人で、「夜の街」の175人を上回った。
もはやコロナ禍の最前線は、散々槍玉に上げられた「夜の街」ではなく家の中にあるのだ。
「新型コロナが日本中に浸透する、最後の段階に突入したのではないでしょうか」(山形大学医学部附属病院感染制御部長の森兼啓太氏)
厚生労働省は、家庭内の感染を防ぐためのガイドラインを公表している。
そこには「こまめに手を洗う」「定期的に換気をする」など、新型コロナの一般的な予防策として何度も言い尽くされたことが並べられている。
だが、それだけでは甘い。当たり前の話だが、家族だと一緒にいる時間は極端に長いため、感染する確率は他の人たちより非常に高い。
「一般的な濃厚接触者の感染率は約5%ですが、感染者と同居する濃厚接触者に限定すれば感染率は約10~40%と倍以上に高くなります」(浜松医療センターの院長補佐で感染症内科部長の矢野邦夫氏)