コロナで貧困層急増…子どもとシングルマザーが直面する「厳しい現実」

負の連鎖を食い止める方法はあるのか
今ない仕事 取材班 プロフィール

2020年8月9日に発売となった、未来の予測だけではなくもっと優しい社会を考えるきっかけ作りを提案している『大人は知らない 今ない仕事図鑑100』の中のインタビューで、社会問題に特化したクラウドファンディングサービスGoodMorningの代表取締役社長、酒向萌実さんはこう言っていた。

「社会を変えていくためには、制度だけでなく文化も変えていかなくてはならない。(中略)自分が生きている社会は、貢献する対象ではなく、自分たちが構成しているもの。壊れているところが見つかったら、みんなでちょっとずる微修正しなきゃいけない」

そんな思いでクラウドファンディング事業に取り組んできた酒向さんが特に印象深いのが、金銭的理由で塾に通えない中学生支援からスタートした「スタディクーポンプロジェクト」だ。このプロジェクトは実施翌年に、東京都渋谷区の事業として組み込まれたという。

クラウドファンディングにはインターネット上でのキャンペーン効果があり、「すべての子に等しい教育機会を」という理念を、広くあまねく伝えることができた。そして結果的に公費で継続していくモデルを作り出すことができたことに意義を感じていると語っていた。

冒頭のカタリバ今村さんの「みんなで支えられる社会をつくること」という目的にも関連する、社会の前進だろう。

 

世界中で極度貧困層が急増中

コロナ禍でますます貧困や格差による分断が進む社会。国連は今年7月6日、これまでのSDGs達成状況をまとめた報告書を公表したが、そのうち貧困の撲滅については、「1日1ドル90セント(約201円)未満で暮らす極度の貧困層の割合がコロナ感染拡大の影響で、「今年は8.4%から8.8%まで上昇する」と予測。そのため4000万人から6000万人が極度の貧困層となる見通しで、貧困率の上昇は過去20年間で初めてだという。

さらに身近なファクトとしては日本の、新型コロナの影響で生活が苦しくなった世帯に最大20万円を無利子で貸し付ける「緊急小口資金」の申請総額は、リーマンショックの影響が大きかった2009年度の約80倍にも上っている。

もはや貧困は、「すぐそこにあるもの」ではなく、「もうここにあるもの」となりつつある。誰でも陥るものであり、冒頭の夏休み中に空腹な中学生、お弁当を受け取るシングルマザーたちだけの話ではない。ますます、「自分ごと」という視点を持つことが必要だ。