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コロナで貧困層急増…子どもとシングルマザーが直面する「厳しい現実」

負の連鎖を食い止める方法はあるのか

夏休みの終わりを、心待ちにする子どもたち

8月も終わり。普段なら各地の小、中、高校では、夏休みの追い込みのはずだが、もうすでに休みが明けている学校も多いのではないだろうか。

今春、新型コロナウイルス感染拡大予防で長引いた休校の埋め合わせで、今年の夏休みは、各地で異例の短さとなった。

それを残念に思った子どもたちがほとんどかと思いきや、先日取材で話を聞いた中学1年生の男子は、「はやく夏休みが終わってほしい」と言っていた。その理由は、「お腹が空くから」。

彼の家庭は経済的に苦しく、両親は働き詰め。コロナ禍の影響で父親は仕事を解雇され、両親ともパートの掛け持ちをしている。

いつもは学校の給食をおかわりしてお腹を満たしているが、休み中は家庭で十分な食事をとることができず、空腹続きだ。親にもらったわずかなお金をやりくりしてコンビニで買い食いをするが、「ちゃんとした食事じゃないから、すぐにお腹が空いてしまう」と言う。

彼のように、必要最低限の栄養がとれない夏休みに、痩せてしまう子どもたちは少なくない。コロナ禍がさらに深刻化させた経済事情は、子どもたちの心身に大きな影響を及ぼしている。

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コロナ禍でますます困窮するシングルマザー

「こんなにいいごはんを子どもに食べさせる機会、ありませんでした」
「子どもたちはダイナミックな肉に大喜び。ペロリでした」

東京都中野区にある丸焼きチキン大衆オステリアTORIPANI(トリパニ)の、ボリューム満点な弁当を手にした保護者たちからは、そんな喜びの声があがった。

これは、今年6月より認定特定非営利活動法人カタリバ(以下、カタリバ)が始めた取り組み「つながるカタリバごはん」でのひとコマ。カタリバは、コロナ禍で生活に苦しむ子どもたちへの支援「あの子にまなびをつなぐ」プロジェクトや、この弁当の無償提供を行っている。経済的に困難を抱え、自治体に就学援助などの支援を受けている高校生以下の子どもがいる家庭が対象で、家族分の弁当を月2回配布している。

カタリバの代表、今村久美氏は、「コロナ禍の困難や貧困状況にあることは、決して子どもたちの非ではありません。大事なのは、困っている子どもたちを、みんなで支えられる社会をつくることではないかと改めて思いました」と、語った。

自ら弁当配布を行った今村氏によると、この取り組みは、子どもたちだけでなく保護者たちの苦しい状況を知る機会になったという。

遠方から遠回りをしつつ、交通費を切り詰めてやって来る母親や、涙を流しながら、「コロナで仕事がなくなって本当に大変なんですが、教育の支援も食事の支援もこうしてやってくれる人たちがいて、支えてくれて、本当に感謝しています」と話し出す母親もいたそうだ。

経済的困難を抱える保護者の中にはひとり親世帯も多い。ただでさえパートやアルバイトなどの非正規雇用の不安を抱えて子育てに追われている中、コロナ禍で追い打ちをかけられ生活費や教育費のやり繰りに苦労しているケースも多いのではないだろうか。