TBS『半沢直樹』公HPより
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半沢直樹、なぜか「バブル世代」も「Z世代」もハマっている意外なワケ

このドラマには「思い」が詰まっている

7年ぶりに帰ってきた『半沢直樹』(TBS系列・日曜午後9時)が毎回、高い視聴率を叩き出して大人気だ。登場人物のセリフや言動がネットで話題となるなど、まさに国民的ドラマと化している。

では、この人気ドラマを現役のリアル銀行員たちはどう見ているのか――。そこで今回、新作小説『よこどり 小説メガバンク人事抗争』で銀行員の生き方を斬新な切り口で描き出した作家の小野一起氏と、メガバンクの現役幹部、元日銀幹部らが緊急鼎談。銀行員ならではのリアルな目線で、「半沢直樹」の魅力と物語の背後にある銀行のリアルを読み解いた。

TBS『半沢直樹』公式HPより
 

半沢直樹の「思い」

小野 ドラマ『半沢直樹』に注目が集まっていますね。私も毎回、楽しみにしています。リアルな銀行員の皆さんから見て、『半沢直樹』の活躍は、どんな風に見えているでしょうか。

メガバンク部長A(50代) 私は、『半沢直樹』の魅力の一つは「バブル世代」のサラリーマンの「思い」が詰め込まれていることだと感じています。原作の池井戸潤さんも、主人公の半沢直樹もバブル世代です。前回シリーズの原作のタイトルは「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」ですからね。ついでに言えば、私も小野さんも、それから元日銀のBさんも「バブル組」です(笑)。

バブルというと、地価や株価の高騰でみなが沸き立ち、船上パーティでシャンパンを開けてディスコで踊りまくる、といった享楽と熱狂のイメージもあると思います。「24時間戦えますか」という栄養ドリンク「リゲイン」のCMソングが流れていたのもバブル期の1980年代後半からです。この猛烈サラリーマンのイメージに当時、若者だったバブル世代が夢中になっていたかというと、じつはそうでもなかったと感じています。

むしろバブルの熱で膨張した日本的な大企業に、「脅威」や「圧迫感」に似たものを感じていたように思います。「終身雇用」「年功序列」の組織では、若手の考えは抑え込まれます。

現実に個性が圧殺された中で、ひたすら上司の思いを組んで、雑巾がけのような仕事をしていました。そして自分のアイディアや企画が、実現するのは遠い未来だと思い知らされ、上司の顔色を見ながら、馬車馬のように走り続けた。一方で、どこか冷静な視点もあって、この年功序列の意思決定を崩さないと、新しいビジネスが生まれず、組織に未来がないことにも、何となく気づいていた。