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たった10%の水分欠乏で死ぬ…中高年を襲う「熱中症」の本当の恐怖

酷暑襲来!どう気をつければいいか
熱中症は、脳梗塞や心筋梗塞と違い、意識をまずやられるため、不調を感じることができない。そのため熱中症は非常に死亡率が高い。人間の体の水分量は、子どもで体重の75パーセント、成人で60パーセント、65歳以上の高齢者で50パーセントと、加齢とともに減っていく。どの年齢でも、ほんの1~2パーセントの水が欠乏しただけで、意識障害が起きる。体重が50キロとすると、65歳以上の高齢者の場合、水分は25キロだから、250~500cc、ペットボトル1本分にも満たない水が不足しただけで、意識はおかしくなるのだ。意識を失った場合、助けを呼ぶこともできなくなる。水を飲むこともできないから、どんどん水分が不足し、死に至ることもある。医学博士・竹内孝仁氏のロングセラー『水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない』から、熱中症の本当の恐ろしさと、水分をとるのがなぜ重要なのか、ご紹介しよう。

熱中症は認知症と似ている

水には、体温を保つというとても大事な働きがある。

我々の体温は、35・0~37・0度という、非常に狭い範囲に設定されている。体温が35度まで低下すると、方向感覚がなくなり、30度まで下がると無感覚になる。痛みもかゆみも感じなくなるのである。そして27度まで下がると死ぬ。雪山で亡くなる人は、凍って死ぬのではない。低体温で死んでしまうのだ。

 

体温は高くてもいけない。37度で意識がおかしくなり、行動に異常が出てくる。42度を超えると細胞が壊れ始め、45度で完全に死んでしまう。風邪で発熱した時など、自分でもびっくりするくらい汗をかくことがある。これは熱を下げようと、体が水を放っているのである。

記録的猛暑だった2010年の夏、全国で5万4000もの人が熱中症で救急搬送された。そのうちの1718人は、不幸にも亡くなってしまった。搬送された人のうち、約半数が、65歳以上の高齢者だったという。

熱中症は、汗などで体内の水分が失われることにより起こる。つまり、脱水を起こしているのだ。認知症と、まったく同じである。

5パーセント(1250cc)の水が失われると、運動機能が低下し、足元がおぼつかなくなる。ちょっとした距離でも、移動することが難しくなってしまう。