分譲住宅「急いで買ったほうがいいのか問題」に対する「一つの答え」

11月末までの契約がお得なのか
山下 和之 プロフィール

「つくられた価格上昇」という見方

しかし、この価格上昇。実は、作られた価格上昇という見方もある。発売戸数は図表2でも分かるように、前年の半分近くに減少している。

つまり、分譲会社としては、なかなかお客に来場してもらえないなか、都心の人気物件などに絞り込んだ営業を行っており、それによって、平均価格が押し上げられたという事情がある。決して、旺盛な需要に支えられて価格が上がり続けているわけではない。

したがって、このまま新型コロナウイルス感染症の影響が長引けば、いずれは市場も息切れする可能性がある。将来を正確に予測することは難しいのだが、少なくともこのところの価格上昇は、そのまま鵜呑みにするのは早計だ。

 

長期的には価格が下がる可能性も?

なかには、マンション市況はやがて暴落すると警鐘を鳴らす専門家もいる。著者はそれに与するものではないが、長い目でみれば、価格が多少下がる可能性は充分ありえると考えている。多少といってもベースが大きいだけに、影響は小さくない。

5000万円のマンションが1%下がっただけでも、資産価値は50万円ダウンする。2%だと100万円。つまり、ローン減税で最大80万円得できたとしても、価格の下落によって、その80万円の得はたちどころに失われてしまう。

加えて現在のような厳しい経済環境が続けば、来年度の税制改正などにおいて、強力な住宅施策が打ち出される可能性がある点も無視できない。

その内容によっては、2020年ではなく、2021年に買ったほうが得になる可能性がある。