とくに、スペックが高くてセンスが良いイラストレーターの美女・香織が、リカとキャラ的に重なるものがありました。彼女もまたリカが突然NYに行ってしまったように、「ロンドンに部屋借りたから」と突如テラスハウスから出て行ってしまいます。思い立ったら気軽に海外に行けるフットワークの軽さも都会人の証です。

東京をおしゃれに描くとダサくなる問題

令和の「東京ラブストーリー」は都会人アピールの演出が激しくて、見ていてちょっと恥ずかしくなる部分があります。これは東京を舞台とした「テラスハウス」にも共通する問題でもあるように思います。東京をおしゃれに描こうとするとダサくなってしまう呪いでもあるのでしょうか

例えば、本作ではとにかくなんでも夜景に絡ませようとします。オフィスや三上のタワーマンション、カンチとリカが話すシーンの背景にも東京タワーと夜景が映り込みがちでした。有名な「カンチ、セックスしようか」のセリフも、そそり立つ東京タワーのパワーを借りて言っているようでした。もしくは都会人感に酔いしれ、高揚していたのかもしれません。

イラスト:辛酸なめ子

ちなみに、NYから帰国したリカがカンチと路上で再会して抱き合うシーンは汐留でした。同じ広告系の電通社員に見せつけようとしていたのでしょうか。

リカのファッションセンスは素敵ですが、ギャラリーのレセプションにおしゃれして行くのは一周回ってダサいかも、と思えてしまいます。現実のギャラリーのレセプションでは地味な格好をした人ほど業界感を醸し出しているので、リカの背中が空いたファッションは浮いてしまっているような……。