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スマホ禁止の学校がコロナで「悪戦苦闘」、そこから見えた「学びの未来」

「今ない仕事」がどんどん生まれている

教育にぞくぞく生まれる「今ない仕事」

少子化の中でも首都圏の中学受験者数は、2015年から2020年までの6年間連続で増え続けてきている。それにも関わらず、校則が厳しいイメージのある、キリスト系の女子高は敬遠される傾向が続いているようだ。

光塩女子学院中等科・高等科は、杉並区にある1931年創立のカトリック系女子中高一貫の伝統校だ。堅実な校風で知られ、1学年140人ほどの生徒に細やかに対応することを旨とし、東大や早慶などの難関大学、医学部へと高い大学進学実績を出し続けている。そんな同校もこの数年間、中学受験の世界では厳しい状況に置かれてきた。

そこに起きた新型コロナ感染症(COVID-19)のパンデミック。どちらかといえば、アナログ派の学校がどのように対応したか?――これはコロナの時代に、そこかしこで起きている「変化」のささやかな物語である。

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先生と生徒の新しい「学び」のかたち

「校長先生、高3の生徒たちから動画メッセージが届いたそうです!」

そんな報告を光塩女子学院中等科・高等科の佐野摩美校長が受けたのは5月18日、月曜日の朝のことだった。転送されたメールのリンクをクリックすると、軽快な音楽とともに生徒たちの姿が次々に動き出した。

「メッセージありがとうございます! 再開したらいっぱいはしゃぎまわるので楽しみにしていてください」
「はやく学校に行って調理実習やりたいです。それまでは勉強頑張ります」
「マーマレード作りました!」
「光塩大好きーってなりました」

それは、5月15日の金曜日、教師から全校生徒に配信した応援動画メッセージへの、御礼の動画だった。月曜日の朝に届いたということは、生徒たちは2日足らずで50人近くのメッセージを集めて動画編集を行ったことになる。

「生徒たちの方がよほど先にいっているじゃないの」

佐野校長と先生たちは、ここまでの自分たちの悪戦苦闘を思い出し、嬉しさと頼もしさに目を細めた。

新型コロナ感染症(COVID-19)の感染拡大と、それを受けた2月27日の安倍首相の臨時休校の要請から、全国の学校と同様、光塩女子学院の先生たちは怒涛の日々を送っていた。

それが一息ついた4月の終わり、がらんとした校舎を見て中2担当の塚田聡子先生は同僚たちと「生徒たちに会いたいね」と話していた。