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吉野家「大量閉店」の深層…いま本当に起きている「意外なこと」

守って、攻める…その経営がおもしろい

数字に惑わされていないか

先月29日、吉野家ホールディングス(以下、吉野家HD)は国内外3300店舗のうち最大150店舗の閉店を発表した。内訳としては吉野家国内約40店舗、はなまるうどん、京樽など最大100店舗など、2021年2月までに閉店するという内容だ。そして2021年2月期決算予想が純損益90億円赤字との発表もあった。

新型コロナウイルスの影響を受けて、ファミレス業態、居酒屋業態の企業各社による大量閉店の発表は、早いところでは4月下旬頃からなされていた。そんな中、7月下旬になっての吉野家ホールディングスの発表は、やや遅く感じるタイミングだ。

なぜ、このタイミングで同社は大量閉店を発表するに至ったのか。その背景には、同社のメインブランド「吉野家」業態が影響していることが所以となる。

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緊急事態宣言が出た4~5月、多くの外食企業が臨時休業・時短営業を余儀なくされる中、吉野家はテイクアウトなどで比較的堅調に推移していた。ただ、緊急事態宣言解除後、徐々にその他ブランドが売り上げを戻し始めたのと反比例する形で、吉野家は売り上げを落とし始めていた。

このように、多くの外食企業とは売り上げの動きが異なったから、戦略構築と今後に向けた経営判断がこの時期にずれ込み、結果、7月下旬での大量閉店発表に至ったと考えられる。

さて、巷には今回の吉野家HDの大量閉店について、事態の深刻さばかりが報じられる傾向にあるようだ。確かに、100店舗を越える閉店、とあれば数字のインパクトはやはり強く感じざるをえない。

だが、冷静に見ると、今回の閉店店舗数は同社全体の5%弱に過ぎない。確かに、業績は厳しいながらも、他のファミレスや居酒屋業態企業と比べれば、まだ危機度合いは低く、同社が出来る限り閉店店舗数を抑えながら業績回復を目指していることが読み取れる。

そこで今回は改めて、吉野家HDの大量閉店をどう捉えるべきか、考えてみたい。