病床数314、総敷地面積8万平米以上の大病院

父が「病院で餓死」、主治医が書いた納得できない「死亡診断書」

終末期医療の問題点が浮き彫りになった

東千葉メディカルセンターで、入院中だった93歳の谷口幸一さん(仮名)が「餓死」したことが、波紋を呼んでいる(前回の記事)。高齢ではあるものの、体重は平均以上、入院前は食欲旺盛だっただけに、予想だにしない事態になってしまった。遺族の谷口正さん(仮名)は、病院が適切な栄養補給をしなかったためだとして、病院を相手取って損害賠償訴訟を起こしている。

争点は「合理的な理由」があったか

正さんが亡くなる2日前(11月16日) の写真を見ると、やつれ果てて文字通り骨と皮だけといった無残な姿だった。

実は、栄養補給が少なかったことは、東千葉メディカルセンター側も認めている。裁判の争点になっているのは、栄養補給目的で入院した患者に対し、病院側(主治医)が十分な栄養を補給しなかったことに、合理的な理由があるかどうかだ。

地域の中核病院として利用者は多い
 

病院側の主張は大きくふたつある。ひとつは、幸一さんは入院前から食欲不振が続いていて、入院時点で老衰だったという主張だ。つまり老衰のために、もともと食べられなくなっていたというのである。

実際、センターの医師が作成した死亡診断書の死因欄には「餓死」ではなく、「老衰」と書かれており、裁判でも病院側は食欲不振について「不可逆的」だったと主張している。不可逆的とは、元通りにならないという意味だ。

裁判で、病院側は、老衰患者に対し、「経腸栄養や中心静脈栄養による大量カロリーの投与は、医療倫理上行われるべきでない」のであり、幸一氏への診療は「かかる見地から行われた」と主張。そもそも「93歳の老衰患者にここまで詳細な検査・治療・病状説明を行うことは」あまり一般的でない、としている。

この主張を受け、正さん側は「病院側は老衰と判断して、低栄養状態を改善しなかったとの疑念が拭い去れない」と裁判で病院への不信感を露わにした。

もうひとつは「リフィーディング症候群」の発症を念頭に置き、栄養投与量を決めたという主張である。リフィーディング症候群とは、飢餓状態の患者に、一度に多くの栄養を与えると、心不全などの様々な合併症を起こす恐れがあるというもの。これを予防するには、症状を見ながら栄養量を増やす必要があるとされ、幸一さんについても、その通り実行したと病院側は主張している。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら