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鳥谷敬・39歳、引退間際からの復活…「ベテランにしかできない」活躍にシビれる

これが名選手の生き様だ

ようやく出た初ヒット

「さぁ、いけー!」「カモン!」「お願いします!」

応援が自粛となり、静けさが漂う札幌ドームのベンチ。そこに並んだロッテの選手たちから、ひと際大きな声が左打席に立つ男に飛ばされていた。

鳥谷敬、39歳。プロ野球ファンなら誰もが知るベテラン内野手は、プロ17年目の今季を新天地ロッテで迎えていた。

鳥谷(2017年)〔PHOTO〕Gettyimages
 

7月18日の対日本ハム戦。若き大砲・安田尚憲の守備固めとして、7回裏から三塁の守備についていた鳥谷に9回表、今季5度目の打席が回ってきた。フルカウントから145キロの速球をセンター前へ。これが今シーズン初ヒットとなった。

「ナイスヒット!」「ボール!ボール!」と、再びベンチから大きな声が飛ぶ。

ベンチでは安田を始め、ルーキー捕手の佐藤都志也、早稲田大学の後輩・中村奨吾らが、満面の笑みを浮かべ、新たにチームに加わった鳥谷の初ヒットを祝福。塁上からそれに応えた鳥谷は、照れながらも自然な笑みを浮かべていた。

その姿は、本当は見ることはできなかったかもしれない。なぜなら、キャンプインした2月1日の段階で、鳥谷を獲得しようと声をあげる球団はなかったからだ。

ファンもそう感じていたのではないだろうか。7月30日、本拠地ZOZOマリンスタジアム初のスタメンに名を連ねた鳥谷が、名物ウグイス嬢・谷保恵美さんのコールを受け、遊撃のポジションに向かう姿を見て、涙ぐむファンの姿が中継で映し出されていた。

キャンプ終了まで、声がかからなかったプロ17年目のベテラン。ロッテがあえて獲得した意図はどこにあったのか。