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台湾・中国の「先獲り」の末…今年の初物サンマは1匹1万2500円!

日本人の口に入らない超高級魚になった

1匹 1万2500円の「超高級魚」

日本の秋の風物詩ともなっているサンマ漁がここ数年、深刻な不漁にあえいでいる。かつては9月過ぎに、魚売り場へ行けば1匹100円ほどで手に入り、手軽に焼いて旬の味を堪能できた。ところが最近は、脂の乗りがいまひとつの痩せたサンマばかりで値段も高め。

今年の初物は、120グラムほどの細いサンマの卸値が1キロ当たり10万円、1匹当たりでは1万2500円という史上最高値を付け、豊洲市場内には驚きというよりため息交じりの声が漏れた。

昨年同じ時期に入荷した北海道小型船の初物(キロ6000円)に比べ約17倍。これまで最高値だった2016年(キロ2万5000円)と比較しても4倍の超高値となった。キロ10万円という相場は、日本一の魚市場・豊洲でも、初競り以外はめったにお目にかかれない超高値である。

イキのいいサンマ(筆者提供)
 

また不漁のため昨年は「目黒のサンマ」のイベントで用意するはずの生サンマが確保できず、前年に水揚げされた「冷凍もの」で賄ったという始末だ。秋の味覚は今、どんな状況にあるのか。台湾や中国など外国漁船の「先獲り」が原因と指摘する声もある中で、このままサンマは日本の食卓から消えてしまうのだろうか。

初物サンマのほとんどは海外へ

「ほとんど台湾の超高級寿司屋に行っちゃったよ。残りは香港と東京・銀座の寿司屋かな」。豊洲市場の大手仲卸の社長は、初サンマの行先(販売先)を聞かれ、こう答えた。7月中旬、北海道東沖で今年初めて漁獲されたサンマおよそ200匹のうち、約70匹が豊洲市場で販売された。

マグロのような競り取引ではなく、卸と仲卸との個別の話し合いによる「相対取引」で値決めされた初サンマは、なんと大半は飛行機で海外へ渡っていた。初物を好むのは日本人だけではないだろうが、台湾などでも初サンマがもてはやされているとは驚きだ。