「SNSの毒」から距離をとった結果…ある作家が陥った「矛盾と疑問」

一体、なんのためにあるんだろう?
高木 敦史 プロフィール

買えるものには限度があるので、買えないものについては想像するしかありません。そして「想像した限りではこれがいちばん面白そうだ」というものを買って読んで、実際の内容と想像した内容にどういった差異があったかをノートにまとめていました。

最初こそ「思ってたのと違った」「こうきたか……」の連発でしたが、不思議なもので回数をこなせばこなすほど正解率が高くなっていくんですよね。最終的には表紙を見ただけでその本が自分向きかどうか分かるようになり、これがいわゆる審美眼というものなのだと思いました。現在でも割と役立っています。

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ただし負の側面として、世間で流行っているものにほとんど関心を示さない人間になりました。これは「売れてるから嫌い」ということではなく、売れているものは面白いことがある程度保証されているから、読むのは後回しでいいやと思うようになったのです。

本を選ぶときの基準が「自分の直感が合っているか確かめたい」になってしまい、ほぼ確実に面白いものよりも「実際に読んでみないと面白いかどうかわからないもの」の方に強く惹かれるようになってしまったのです。

ですので、自分の本の読者層もまたそういう傾向にあるとすると、宣伝を頑張って名が広まれば広まるほど、自分みたいな人間は自分の本を手に取らなくなってしまいます。雁字搦めです。

では、自分がこの先SNSで宣伝をすることに未来はあるのか? 袋小路に迷いこんだ感もありますが、まだ多少なり希望を持っています。

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