コロナ危機後も中国人がコウモリやヘビなど野生動物を食べ続ける理由

じか箸文化もなかなか変わらない
青樹 明子 プロフィール

「個別盛り、取り箸……うんざり」

もうひとつ中国人の食習慣に大きく影響しているのが、中国料理の西洋化である。

ある中国人は言う。

「一人メシ、個別盛り、取り箸、取り匙……うんざりだ。だけど疫病が収まれば自然忘れていくさ。SARSの時も盛んに提唱されたが、一年たたないうちに雲散霧消したからね」

中国政府はコロナ禍にあたって「公筷公勺」つまり「取り箸・取り匙」を使おうというキャンペーンを始めた。 

中国において、じか箸とは我々日本人が考えるように、単なる作法上の問題ではない。

 

中国料理といえば、大皿料理である。

中国で大皿料理が一般的になったのは、商人が登場した宋の時代と言われている。各地から都市に集まった商人たちは、酒楼と呼ばれる場所で、同じテーブルを囲み、大皿料理から料理を取り分けながら食べ、賑やかで楽しい雰囲気のなかで商談をまとめていった。現代で言うビジネスディナーである。

中国人にとって、食事とは、単に空腹を満たすだけのものではない。感情の育成、人間関係の構築である。

取り箸を使うことは、究極の他人行儀なので、できれば使いたくない。

大きな円卓を囲み、親しい仲間がわいわいがやがや、楽しく酒を飲み、食事をする。おいしい料理は仲間で取り分け、楽しみを共有する。食事時間を賑やかに楽しむことは、中国人の天性と合致する。

「このような素晴らしい伝統文化を無くすのは先祖に対し申し訳ないし、受け入れがたい」……。これが庶民の正直な感想である。

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