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成城石井、コロナ禍でも絶好調をキープする「これだけの理由」

この10年で年商は2倍に…!
上阪 徹 プロフィール

時間をかけても直輸入にこだわるワケ

おいしいワインがお店で買えるようになると、成城の顧客からこんな声が聞こえてくるようになった。「ワインにはおいしいチーズが合う。ヨーロッパにあるよ」と。

日本ではプロセスチーズが当たり前の時代に、輸入チーズの取り扱いが始まる。チーズも鮮度は重要。そこで、飛行機で輸入することにした。コストが高まるため、自分たちで貿易会社も作ってしまった

こうして、世界のおいしいものを直輸入できる仕組みができあがった。チーズのみならず、生ハム、チョコレート、オリーブオイル……。輸入品のカテゴリーがどんどん広がっていく。

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興味深いのは、「高級なものを扱おう」「儲けよう」というところから発想が始まっていることではないことだ。本当においしいもの、こだわったものを仕入れよう、というところから、成城石井の品揃えは始まっているのである。それが結果として、他社が真似できない仕組みや品揃えにつながったのだ。

そして今も、約30名のバイヤーが自ら世界の展示会などに出かけて、商品を仕入れてくる。問屋や輸入業者に仕入れを委ねてしまい、入ってきた商品を店頭に並べるだけでは、あの圧倒的異な品揃えにはならない。

しかも難しいのは、一流メーカーは、誰にでも売りたいわけではないことである。商品の価値を知り、理解し、自分たちも認める顧客に売ってほしいと思っている。

書籍『成城石井 世界の果てまで、買い付けに。』の取材で知ったのは、成城石井の大ヒット商品のハードチーズ、パルミジャーノ・レジャーノが、取引を始められるまでに足かけ3年もかかったこと。世界で本当においしいものを輸入するのは、それくらい難しいのだ。