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成城石井、コロナ禍でも絶好調をキープする「これだけの理由」

この10年で年商は2倍に…!
上阪 徹 プロフィール

並々ならぬワインへの熱意

象徴的な例に、ワインがある。圧倒的な品揃えと高い品質でワインは成城石井の人気商品のひとつだが、同社は1980年代にとんでもない取り組みをしている。

当時、ヨーロッパで飲んだワインは、同じ銘柄でも日本とは味が違ったという。調べてみると、原因は輸送にあった。

船便で2ヵ月、常温コンテナで運ばれていたが、冬でも30度近い気温になる赤道直下のエリアも通る。これがデリケートなワインに影響を与えないはずがない。実際、沸騰状態になり、日本に着いたときには量が違ってしまっていたこともあった。

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そこで成城石井は、「Reefer(リーファー)」コンテナと呼ばれる「定温輸送」で直輸入するのである。当時は、かなり珍しい取り組みだった。何よりコストがかかる。しかも、日本に入ってきてから外気にさらされたのでは、と完全定温、定湿管理の倉庫を建造してワインを保管している。

保管されているワインは多いときで150万本にもなるが、輸入されたものから順に店舗に並ぶわけではない。飲み頃の状態のものがチョイスされ、店頭に送られている。いいもの出したい、最高のものを提供したいと思えば、ここまでやるのが、成城石井なのだ。

だから、ワインに詳しい人は、1500円のワインでも成城石井で買う。かつては、3時間、4時間かけてわざわざ地方から成城石井までワインを買いに来た人もいたという。

ちなみに今でも「Reefer」は、どの会社でも行われているわけではない。ワインの裏面のラベルに、その文字が書かれていなければ、常温で赤道を通ってきた可能性が高い。それは、本来のワインの味ではないかもしれない、ということだ。