給食は栄養もきちんと考えられて作られたとても素晴らしいものだ。しかしそれでもどうしても食べられない子どもがいる。すべて食べきるまで残されていた経験をしたことのある人も少なくないだどろうが、好き嫌いを無理やり食べさせることは「食べること」に対して恐怖を抱くことにもつながりかねないことが現在はわかっている。

それを実証するような体験をしているのが、現在ドイツに暮らす雨宮紫苑さんだ。雨宮さんは幼い頃から極度の偏食だった。しかし現在は、コース料理も怖がらずに食を楽しめるようになってきているという。そこには親や環境の力がとても大きく関わっているようだ。給食のみならず、毎日子どもが家でご飯をする夏休みに栄養を重要視して子どもの好き嫌いに悩む方もいるかもしれない。もちろん栄養も大切だけれど、まずは「食べる」を楽しむために必要なことを考えてみたい。

学校に行きたくなくなった理由

わたしは小学校2年生か3年生のとき、本気で不登校になることを考えた。理由は、給食がイヤだったからだ。

「そんな理由で?」と思うかもしれないけれど、わたしにとっては本当に、本当に深刻な悩みだった。

というのも、わたしは大の偏食家で、自分でもよく生きてこられたなぁ……と遠い目をしてしまうくらい、食べられるものが少なかった。野菜は基本全部ダメ、辛いものも酸っぱいものもアウト、ねばねば系もムリ、生魚・魚介類・海藻も苦手、豆類も果物も大半が食べられない。きのこや山菜類もナシ。

給食は楽しいという子が多い。でも笑顔で食べられる同級生が眩しく見える子どももいるのだ(写真の人物は本文とは関係ありません)Photo by iStock

決して、食物アレルギーというわけではない。でも、なぜか食べられない。箸でその食べ物をつかんで、口に運び、咀嚼するという行為が、どうしてもできなかったのだ。

それをただの「ワガママ」だと思う人もいるだろう。それでも、だれがなんと言おうと、わたしは食べられなかった。すさまじい心理的抵抗でほとんどの食べ物を受け付けない、そんな幼少期を過ごした。