いつもの洗濯「家で洗う」と「クリーニング」ではどっちがお得か…?

お金で計れない「価値」を考える

絶滅寸前の「町のクリーニング店」

現在私は、大佛クリーニングでサービス責任者をしているが、店に来る方とのコミュニケーションから、「同じクリーニングなのに、どうして会社によって代金が違うのか」とか「クリーニングに行くのも面倒」などといった話をよく聞く。

私もクリーニング屋に勤めていなければ、選ぶ基準は、家からの近さと料金だと思う。もしかしたら、シャツやズボンなどの洋服には使わないが、カーテンや毛布などの「季節の大物」を洗う時のみに使っていたかもしれない。

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厚生労働省が平成30年に発表した「クリーニング業界の実態と経営改善の方策」によると、平成12年を境に、162,347あった店舗が平成27年には104,180に減少。また、同資料によれば、一世帯あたりの年間のクリーニング代は、平成4年の19,243円をピークに平成28年には6,615円と、約3分の1まで利用額も激減している。

いちクリーニング屋で働く私が考えるに、ここまで激減する要因はひとつに人の消費傾向が「モノ」から「コト」を変わったことにあると思う。そもそもクリーニング業はアパレルと密接な関係にある。アパレルの需要にぶら下がる、洋服のメンテナンスという「みえないサービス」を支えるのがクリーニング屋の仕事だからだ。

 

少し脱線するが、そもそもアパレル業界が自社でつくった洋服を大切に着てほしいと思っていたのであれば、メンテナンスまで自社でサービスすべきだったのではないかと洗う現場から見て思っている。

それはさておき、かつての日本人は「所有」(モノ)を目的に、住宅や衣料、家電製品などの生活必需品にお金を使い、1980年代のバブルの頃には、持っているだけでステータスを感じられるブランド品などの「いいものが揃う」百貨店での買い物需要が高まった。

しかし近年の消費傾向では、お金を支払った対価として得られる価値観が「所有」から、スキルアップや旅行などの「体験」(コト)へと移り変わった。