初の赤字転落…!JR東日本の決算が物語る「コロナショックの衝撃」

運賃やダイヤなどが変わる可能性も?
佐藤 信之 プロフィール

JR各社は、令和元年度にすでに大幅な減収となっていたが、それでも影響は限定的であった。

しかし、令和2年度に入ってからは、減収の規模が大幅に拡大している。これにより多くの事業者が手持ち資金の不足を来しており、JR本州各社やJR九州などは、急遽、社債の発行などで巨額の資金の手当てを進めたところである。

今後、一年を通してこのような深刻な状況が続くことになると仮定すると、まずは運賃・料金の引き上げ、終電の繰り上げなど運行本数の削減、業務縮小による人員削減が実施されることになるのであろう。

さらにその先の対策として、時間帯別運賃・料金、通勤ダイヤの大規模な見直しが検討されており、事業売却など事業範囲の縮小という方向に進む可能性もある。

 

発足以来初の四半期赤字決算

JR東日本は、1月から3月までの令和元年度第4四半期の単体営業収益が、第3四半期より626億円減少。最終損益は970億円の赤字となった。発足以来初の四半期での赤字決算である。

ただ、注意が必要なのが、営業費用が第3四半期より1013億円増加した点である。その増額がなければ第4四半期の最終赤字はなかった。

令和元年度中の営業費は、前年度に比べて総額で455億円増加しているので、第4期のみで1013億円増えているのは異常であるが、これは例年年度末の処理で大幅に増加する傾向があるためで、コロナのダメージを過大に表していることになる。年度末でなければ、経常損失は、発表の681億円に対して、2~300億円程度ということになる。

営業費用の内訳について、決算説明資料では、令和元年度に、物件費のうち、「その他」の項目が416億円増加したこと。その主な内訳は、部外委託関係161億円、次世代新幹線「ALFA-X」111億円、損害保険金27億円億円、JRE POINT施策21億円、広告宣伝費19億円億円であると説明する。

さらに第4四半期中の営業費については、基本的には、前年11月の相鉄・JR直通線の開業、3月のダイヤ改正と「高輪ゲートウェイ」駅の開業、オリンピック対策として会場最寄り駅のホーム増設にともなう経費の増加が考えられるところであり、実際に、設備投資に伴い減価償却費が81億円増加している。

しかし、公式なコメントは出されていないが、実際には新型コロナ対策に少なからず経費を必要としたということなのではないか。いずれにしても、積極的な施策が目白押しの中での、新型コロナ問題の発生であった。