海堂尊が明かす…新型コロナと「日本医療の深い闇」へのいらだち

新著『コロナ黙示録』のリアルな中身

コロナ対策「見ていられなかった」

―最新作『コロナ黙示録』のテーマは「新型コロナ」です。田口公平、白鳥圭輔ら「チーム・バチスタ」の面々が集結。架空の都市である「桜宮市」などを舞台に、新型コロナに立ち向かうというファンには嬉しい展開ですが、執筆の経緯を教えてください。

 

私は2月中ずっとチリで取材をしていて、日本にいませんでした。3月に帰国し、それからほぼ1ヵ月間ずっと、テレビを垂れ流し状態にして、新型コロナの報道を見ていたのですが、政府や厚労省の取り組みはとても見ていられなかった。

武漢からの帰国者にしかPCR検査をしないとか、全員を検査していたら医療崩壊が起きるとか、ダイヤモンド・プリンセス号ではゾーニングすらしていなかったとか……。

医師という立場から見ると、いったい何をでたらめなことをやっているんだという印象でした。

私は'09年に発生した新型インフルエンザ流行を下敷きに『ナニワ・モンスター』という小説を書いています。そこでPCR検査を受けようと思っても、海外渡航歴がないという理由で拒否されるというシーンなどを描きました。

まるで今の状況を予言したようだと評価されているようですが、それは単に厚労省の問題点がずっと保存されていたというだけなのです。