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2020.08.06

繊細な人が内向的な性格を変えずにうまく人と付き合うには

コア・パーソナル・プロジェクトを持て
もし、あなたが大企業に勤める内向型なら、本当の自分のために、週末は静かに過ごすべきか、それとも、外出して人と話したり、チームの仲間と友好を深めたりするべきなのだろうか。もし、あなたが外向型の大学生だったら、本当の自分のために週末はにぎやかに過ごし、月曜日から金曜日まではじっくり勉強すべきだろうか。そもそも、人間はそんなふうに自分をうまく調節できるだろうか。繊細な人が自分を裏切らずに人とつきあう方法を、米国発ベストセラー『内向型人間が無理せず幸せになる唯一の方法』(スーザン・ケイン著)からご紹介する。

ひょっとして二重人格?

ブライアン・リトル教授はハーバード大学で心理学を教えていた。大学教育界のノーベル賞と呼ばれる〈3Mティーチングフェローシップ〉の受賞者でもある。背が低くがっしりした体型、眼鏡をかけたリトル教授は、人の心を惹きつけ、よく響くバリトンでしゃべり、演壇で急に歌を口ずさんだりくるくる回ってみせたりする。

独特の口調は古典劇の俳優を思わせる。天才アルベルト・アインシュタインと名優ロビン・ウィリアムズを足したような人だと表現される彼は、たびたびジョークを飛ばして聴衆を喜ばせ、それ以上に自分も喜んでいるようだ。ハーバード大学での講義はつねに満席で、いつも最後は拍手喝采で終わった。

 

ところで、これから紹介するのは、まったく違うタイプの男性だ。カナダの人里離れた森のなか、二エーカー以上もある緑豊かな敷地にひっそり建つ家で、時おり子供や孫たちが訪れるのを別にすれば、妻と二人だけでひっそり暮らしている。暇を見つけては、作曲や読書や執筆活動や友人とのメールのやりとりを楽しむ。誰かに会うときには、一対一を好む。にぎやかなパーティでは、さっさと話し相手を見つけてじっくり会話をするか、さもなければ「ちょっと新鮮な空気が吸いたいから」と外へ出てしまう。

まるで喜劇役者のような教授と隠遁者のような男性とが同じ人物だと種明かしすれば、読者のみなさんは驚かれるだろうか。誰でも状況しだいで違うふるまいをするのだから当然の話だと思われるのなら、さほど驚かれないだろう。

だが、私たちがそれほど柔軟に対応できるのだとすれば、そもそも内向型と外向型との違いを分析する意味があるのだろうか。内向型は思慮深い哲学者で外向型は恐れを知らない指導者だという、内向型・外向型の認識はあまりにもはっきりしすぎていないだろうか。内向型は詩人や科学オタクで、外向型は運動選手やチアリーダーなのだろうか。私たちはみな、両方の面を少しずつ持っているのではないだろうか。