岡田将生似の28歳か、技術だけには自信がある40歳か

A“店”といっても、ほとんどの女性用風俗がそうであるように、実店舗があるわけではない。サイトを見たうえでお店に電話すると、指名したセラピストが指定した待ち合わせ場所にやってくる、という流れだ。私が電話したときは日曜日の22時すぎだったので、そのときに対応できるセラピストは2名しかいなかった。電話口で受付スタッフに、「岡田将生似の28歳のマサキ(仮名)と、技術だけには自信がある40歳のリョウ(仮名)なら対応できます。どちらがいいですか?」と聞かれた。

「技術“だけには”自信がある」と仲間内から軽くディスられているリョウをやや気の毒に思ったが、自分よりも年上の男性なら、むしろホテル代を出してもらってタダでできる可能性が高いことを考えると、なんだか損をしている気分になり、28歳で178cmのマサキを選ぶことにした。男性芸能人がひと回り以上年下の若い女性と不倫するたび、若けりゃいいのかと思っていたが、人のことは言えないなと思った。

スーツ姿の「岡田将生」が現れた

マサキとは、22時40分頃に新宿アルタ前で待ち合せすることになった。さっきまでほろ酔いでワクワクしていたのに、途端に緊張が襲ってきた。そういえば、毛の処理とかしてたっけ、口臭大丈夫だっけ、と乙女な不安もよぎる。心臓をバクバクさせていると、どこからともなく、スーツ姿のスラリとした男性が目の前に現れた。

「アキさんですね?」
「は、はい」

受付のスタッフに事前に伝えていた私の名前(テキトー)を彼が呼んだ。たしかに、岡田将生に似ている。岡田将生とダルビッシュ有を足して2で割った感じだ。コンビニで飲み物を買い(もちろん私が払う)、マサキが目星をつけているという歌舞伎町のラブホテルに向かって歩きながら、ライターの職業病でついお店のこと、マサキのことについて根掘り葉掘り聞いてしまった。

〔PHOTO〕iStock

A店ではセラピスト希望者は書類と面接で審査され、それを通ったら1〜3ヶ月ほどの研修を経て接客できるようになるという。研修では、講師の女性に手や舌を使って実技を行い、「違う、そこじゃない!」「もっと優しく」などと指導を受けるというから驚きだ。マサキは覚えが早かったからか、研修は1ヶ月で終了したらしい。

そもそもなぜマサキはセラピストになろうと思ったのか聞くと、「女性に気持ちよくなってもらうのが何よりもの喜びだから」と目をキラキラさせながら模範解答を述べた。素で言っているのが伝わってきて、ちょっと引いた。本業は不動産営業で今日も仕事帰りだという彼は、仕事の疲れを微塵も感じさせない笑顔で私をラブホテルまでエスコートしてくれた。