BLMやK-POPスターから考える、私たちが学び続けなければいけない理由

今、日本社会に最も求められていること
竹田 ダニエル プロフィール

ファッション企業やブランドの過去の人種差別的な言動や、浅い理解と一過性のパフォーマンスに過ぎない不適切なBLMへのアプローチは世界中から強く批判され、消費者はSNSで不買運動を呼びかける。このようなパターンは度々議論として挙げられ、業界を超えて重要視されている。

消費者、メディア、ブランドの三者による三者の監視の目によって、社会問題に対する適切なアプローチを全員が継続的に行っていけるように、「学びの同調圧力」が課されているのである。

日本のマスメディアや広告業界で「いわゆる“女子供”はファッションやセレブやアイドルにしか興味がない、社会や政治的なイシューを取り扱っても部数や閲覧数につながらない。だから政治色は避けるべきだ」という平和ボケじみた旧来的な運営方法とは、まったく真逆のことが世界で起こっている。

テクノロジーやグローバリゼーションにおいて価値観は常に変化している。それに適応するには、特に社会的影響力を持ったり、多文化の影響を受けて生業を立てているような者はなおさら国際問題には言及する責務が大きく、決して他人事ではないのである。

大切なのは、時代の風潮に流されて情報や考え方を得るのではなく、個人として、そして社会全体として「継続的に考え続ける」ことである。

そのためには、まずは存在している問題について知り、自分が加担していないか、そして自分に何かできることがあるのか、常に当事者意識を持つことこそが社会問題と向き合う最初のステップなのである。

より持続可能な組織、ないしは社会を築くためには、マジョリティ側が「知る」姿勢を持ち、間違っていると思うことには声をあげることで、差別や抑圧を受けている当事者たちの声を増幅させる必要があるのだ。

 

当事者意識と「学ぶこと」について

"自分自身を教育しなさい。他の誰かが政治について教えてくれるのを待つのではない。自分自身を教育し、誰に投票すべきかを考えるのだ。"
"Educate yourself. Don't wait for somebody else to tell you who's who. Educate yourself and know who you're voting for."

ジョージ・フロイドの弟が殺害現場で行ったスピーチで、「エデュケイト・ユアセルフ」という言葉が何度も使われた。

そこには、一過性のデモだけで終わらせるのなく、人種差別の歴史や背景、現在の社会問題について学び、知り、向き合うことで初めて根本的な問題解決へと一歩踏み出すことができるという強いメッセージが込められている。

「エデュケイト・ユアセルフ」という言葉がキーワードになったことで、デモに参加したりデモの情報を拡散させるだけではなく、社会に根強く蔓延っている様々な問題に目を向け、学ぶきっかけを多くの人が得られた。

そしてこのスローガンを影響力のあるメディアやインフルエンサー、ブランドのメッセージとして社会に投げかけることで人々に「学び続ける義務感」を与え、ムーブメントが継続的な力を得ることに成功したのである。

SNSで知った社会、そして世界で起きている問題をきっかけに、世の中をより良いところにしたい、ただどこから始めたらいいのかわからないという人は、どのような属性や年齢であっても、とにかく「学ぶこと」を絶やさないことを目標としてほしい。

昨今英語圏のメディアで頻繁に用いられる“educate yourself”というフレーズは、まさに「自分自身を教育できるのは、自分自身だ」という、今回のムーブメントで非常に重要になったコンセプトからきているのだ。