BLMやK-POPスターから考える、私たちが学び続けなければいけない理由

今、日本社会に最も求められていること
竹田 ダニエル プロフィール

“Black Out Tuesday”の意義

当事者でない人間が「声を上げる」ことの一例になったのが、BLMムーブメントの一環として日本でも大きく話題になった“Black Out Tuesday”だ。

“Black Out Tuesday”とは何か? 『InStyle』誌の記事にはこのように解説されている。

「アトランティック・レコーズの幹部の黒人女性二人によって始まったこの運動は、音楽業界がBLMとの連帯を示すための方法として、ハッシュタグ「#TheShowMustBePaused」を使用することを推進した。SNSの投稿には『この日(6月2日)は、黒人コミュニティを支援するために我々が集団でどのような行動を取る必要があるのかについて、正直に、内省的に、生産的な会話をするための日です』と書かれている」

ニューヨーク・タイムズの記事ではこのように報じられている。

「コロンビア・レコードは『これは休む日ではありません。むしろ、これは反省し、連帯して前進する方法を見出すための日です』とSNSで投稿していた。ソニーミュージックは、悲しみのカウンセリングや今週のグループ瞑想会など、従業員のメンタルヘルスサポートを拡大し、従業員の寄付金と社会正義団体への寄付金を同額にすることを約束すると述べています」

この#BlackOutTuesdayのタグと一緒に黒い正方形の画像を投稿しただけで「反差別を主張」したつもりになり、それ以上の行動を起こさない人が多いことや、SNSでの「トレンド」はパフォーマンスに過ぎず、長期的なコミットメントでなくてはならないアクティビズムの本質的な意味がなくなってしまうということへの批判や議論は、未だに続けている。

一方で、たとえデモに参加せず、SNS上で「同調圧力」を感じて投稿した人たちが仮に多かったとしても、その投稿を見てBLMの本質的な意味について調べるきっかけになったり、またはその投稿をした人が「差別を許さない」とう意志の持ち主だと認識するきっかけにもなったことは事実である。

日本に住んでいると差別問題を「自分とは無関係なもの」として感じてしまう人が多い中で、グローバルな規模での差別問題に言及し、根本的に「なぜ声を上げる必要があるのか」について考える機会になっただけでも、間違いなく大きな進展だった。

 

Metropolic Musicのプロモーター、Alexandra Ampofoは『IQ』誌の記事にて、Black Out Tuesdayが起こしたポジティブな影響について、このように述べている。

「私にとって、Black Out Tuesdayは、反省と敬意を示す日であり、我々のそれぞれの組織内で本質的且つ継続的なレベルの教育を奨励する機会でもありました。我々はこの機会を利用して、オープンな対話を行い、黒人の声を増幅させ、私たち自身の運営方法の欠陥と向き合い、偏見や差別、そして黒人が耐えざるを得ない明白な人種差別に取り組むための次のステップを議論しました。

この日が設けられなければ、多くの人は黒人以外の注目を集めることはできなかっただろうし、同じくらいの冷静さと粘り強さを持った視座で対話を開くことはできなかっただろう」

また、「海外の問題に言及する前に日本国内の問題を優先するべきだ」という声も存在する。そもそも、国内外の問題に同時並行で向き合うことを大前提とした上で、日本は完全に閉鎖された鎖国ではないということを改めて認識する必要があるだろう。

一人ひとりが国際社会の一員であり、グローバル化が否応無く進む現代においては、「世界の問題は我々とは無関係」と言い、「知る責任」を放棄するわけにはいかない。特に社会的影響力を持ったり、多文化の影響を受けて生業を立てているような者は、なおさら国際問題に言及することへの責務が大きい。