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TikTokまで標的!激化する米中覇権戦争、ソフトバンクも渦中に?

それでも止まらぬ中国投資
小出 フィッシャー 美奈 プロフィール

それでも止まらない中国投資

最近では米連邦職員や軍人が加入する401K(確定拠出型年金)などで、中国株の積み増しを自粛する動きも出ている。ただし全体的に見れば、米国を中心にした世界の機関投資家は、むしろ積極的に中国投資を増やしているのが現状だ。(以下を参照:「デモ」か「中国マネー」か? 翻弄される香港のジレンマ)。

株式指数ファンドも中国株の組込み比率を上げているし、香港と上海・深センの証券取引を結ぶ「ストックコネクト」によって、中国本土に上場する「A株」もずっと買いやすくなった。中国人民銀行のデータによれば、外資による中国証券の保有は続伸し、2020年第一四半期には4.2兆元(約64兆円)に到達した。

米政府が投資信託をはじめとする機関投資家や個人の中国投資を全面的に規制でもしない限り、この流れは簡単には変わらないだろう。中国に投資マネーが向かう理由として、中国が世界GDPの15%を超え、グローバル経済の中での存在感が増していることが、まず背景として存在するからだ。

また超低金利の中で、世界の機関投資家は希少な中国成長株を喉から手が出るほど欲しがっている。

例えば、監視カメラ世界最大手の「ハイクビジョン(Hikvision、海康威視)」。株は、過去5年間に配当を含めて170%近い投資リターンをあげており、市場を力強くアウトパフォームしている。しかし、ハイクビジョンの技術は新疆ウィグル自治区での少数民族の監視に使われており、人権侵害との関連が常に問題にされてきた。

Photo by Gettyimages
 

ところが保有者を見ると、中国政府の直轄会社の他、新興国株指数ファンドや、社会責任や人権重視を標榜するESG(以下を参照:フェイスブック株価を下落に追い込んだ「ESG投資」の仕組み)ファンドまでが連なる。

この点に関しては、人権抑圧を理由にハイクビジョンなど複数の中国企業をブラックリストに挙げたトランプ政権の方がESGファンドより先進的、という皮肉な結果になっているのだ。