売れ残り品が大量廃棄されているというのは「誤解」だ photo/iStock

アパレルの「売れ残り」、じつは「大量廃棄」されてなかった…その意外な真実!

基本は「持ち越し」と「転売」そして…

需要に倍する供給が常態化して過半が売れ残るアパレル製品だが、売れ残り品の多くが廃棄されているという認識はじつは間違っている。売れ残り品が廃棄されるのはサステイナブルではないという批判が先行し、実態が正しく認識されていないのではないか。アパレル製品が売れ残ってから最終的に廃棄されるまで、じつはこんな過程を辿っているのだ。

売れ残り品の大半は「持ち越される」…!

19年は28億4600万点が供給されたがセールを繰り返しても13億7300万点しか売れず、14億7300万点が売れ残ったと推計される。とはいえ、売れ残った商品が即、廃棄処分されるわけではない。廃棄すると全額が損失になってしまうから、なるべく損失が少なくて済む処分方法が選択されるのは当然だ。

もっとも損失が少なくて済むのが売れ残り在庫の先送りで、来シーズンまで持ち越して販売すれば今シーズン末に値引き販売するより高く売れる可能性があり、今期の値引き損失も抑制できる。 

コロナ禍の緊急事態宣言で4〜5月に大半の店舗が休業し、ほぼ2ヶ月分の在庫が行き場を失ったアパレル業界では昨年同期より平均12%も在庫が積み上がったが、各社の対応はまちまちだった。TSIホールディングスのように大半の在庫を期中に処分した会社もあれば、ファーストリテイリングや良品計画のように、ほとんど次期に持ち越した会社もある。

アパレル業界の「勝ち組」ファーストリテイリングもコロナ直撃で収益が悪化している photo/gettyimages
 

トレンド性の高い商品は持ち越しても価値が落ちるだけだから早々に値引きして売り切るしかないが、ベーシックな商品は来シーズンでも値段が通るから持ち越すほうが有利なのだ。