自殺したくなるのは、発熱するのと同じ「体からのメッセージ」です

反省を禁止することから始めましょう
坂口 恭平 プロフィール

破壊的な反省をしてしまう

しかし──どこにも解決方法はありません。

何か見つかったためしがない。

それもそのはず、こうなってしまっていると、自分の症状自体の認識にも歪みが出ているからか、あらゆる細かいことが問題となり、問題ですらないものも自分の問題となって、調べ方も間違っていれば、受け取り方も間違ってしまいます。

 

もちろん、それも自分の一つの姿ではあるのですが、勝手に自己判断して、何でも自分が悪いとさらに深く反省してしまうのです。

反省。

これです。とにかく反省してしまっているんです。

自分のどこが悪かったのか、性格のこの部分がダメだ、過去の行為を無理やり引っ張り出してきて、この行為がまずかった、今の苦しさと直結しているわけではないのに、そんなことをしていた僕だからこうなって当然なんだと、余計な反省まで増えてしまいます。

死にたい時とは、つまり、何でも反省してしまっている時なのではないかと僕は考えています。

あれをしなきゃよかった、どうしてこんな性格なのか、どうして他の人とこうも違うのか──そんなふうに反省が止まりません。

しかも、通常、反省というのは、次に備えるために大事な行為です。目の前で起きた失敗に関して、次は必ず失敗しなくて済むようにするのが、反省なのですから。

ところが、今僕たちが絶賛取り掛かっているこの反省は、全く建設的ではありません

むしろ破壊的だと言ってもいいかもしれません。破壊的なのは、反省とは言えませんね。

でもこう言うと、また「私は意味のない破壊的な反省をしてしまった」と反省してしまいます。

とにかく今はそういう状態です。自分が特別くよくよする性格だからというわけではなく、死にたいと感じる時、誰もが必ず反省をしてしまうのです。

他人の声にだけ耳を傾けてみる

まだ、自分自身と、死にたいという考え方が明確にわかれていないでしょうから、なかなかそう考えるのは難しいかもしれませんが、ここはひとつ、理解することはできなくても、ただ耳に入れていく、口にしてみる、という方法を取ってみましょう。

なぜなら、あなたには今、何かが乗り移っているような状態なわけです。もちろん幽霊でも狐でもありません。昔ならそう言われていたかもしれませんし、ある意味では幽霊と言っても間違いではないのかもしれません。

その正体は、あなたの体です。

普段はいわゆる「僕」と言っている人と、僕の体は同期して動いているように感じています。それでももちろん、ズレにも気づいているわけです。眠い体と働こうとする自分。冷静を装いながらも、好きな人の前で勃起している自分。そのズレがこの時、全開になっています。

僕は今「僕」と言っていますが、死にたい時は、体だけでなくこの「僕」が考えていることにも、僕ではないものが入り込んでいます。

そりゃそうです。脳みそだって体ですし、その脳みそからの信号で人間は考えるわけですから、その考え自体も熱を帯びているわけです。ちっとも冷静ではありません。

こうなると一体、自分が何者かすら全くわからなくなってしまいますね。でも反省するくらいなら、自分とは何かなんてことを考え込むほうが体にいいのかもしれません。

何も、好きで反省をしているわけではありません。

反省しやすい状態にいる、自分自身がコントロールできる状態ではなく、ただ今、絶賛乗っ取られ中なんです。

しかし、そんな状態であっても脳みそで考えたことが、自分の思考だと誤解するようになっているので、誰も乗っ取られているとは感じることができません。

だからこそ、死にたい時は、他人の声にだけ耳を傾けてみましょう

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