「ヤバい校則」がまかり通る学校の闇…ツーブロック禁止は序の口だ

女子生徒の下着の色を確認する男性教員
大塚 玲子 プロフィール

理不尽な校則も「違法」ではない

では、交渉しても校則が変わらないときは、あきらめるしかないのか。実は、もうひとつ方法がある。憲法学者の木村草太さんは「従わなければいい」と指摘する。

「そもそも学校側には、(校則を)指導として呼びかける権限はあっても、髪型を強制したり、校則違反者に刑罰を科したりする権限はありません。また過去の裁判例を見ると、不当な校則について訴えられると、学校は『この校則は強制ではない(から違法ではない)』と主張し、裁判所もそれを認める傾向があります。

例えば最高裁判決(*2)では、丸刈りなどを定めた公立中学の校則について、『生徒の守るべき一般的な心得を示すにとどまり、それ以上に、個々の生徒に対する具体的な権利義務を形成するなどの法的効果を生ずるものではない』と判断しています。

また、校則裁判として有名な熊本地裁の判決(*3)では、原告の元生徒は『終始本件校則にしたがわなかつたが、そのことを理由とする処分を何ら受けないまま同中学を卒業した』と認定されています。

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さらにこの判決は、問題の校則を『たとえ指導に従わなかつたとしてもバリカン等で強制的に丸刈にしてしまうとか、内申書の記載や学級委員の任命留保あるいはクラブ活動参加の制限といった措置を予定していない』ものだと認定しており、『唯一人の校則違反者である原告Xに対しても処分はもとより直接の指導すら行われていないことが認められる』と言っています。

他には、中学制服裁判として知られる千葉地裁判決(*4)では、なんと被告の学校側が『校長が〇〇年4月1日から生徒心得を制定し、心得に制服を定めている事実は認めるが、大原中が制服の着用を強制した事実は』なく、心得は『努力目標を定めたものであって、制服の定めはその着用を強制するものではない』と主張しています。制服ですら、強制ではないわけですね」