ライターの上條まゆみさんによる連載「子どものいる離婚」。今回インタビューに答えてくれたのは、自身の経験を経て、貧困に陥りがちなシングルマザーを支える協会を立ち上げた江成道子さんだ。2018年には、日本シングルマザー支援協会後援の映画『single mom 優しい家族。』が内山理名さんの主演で公開された。

江成さんご自身がどのように生きてきたのかも含め、自立するために大切なことを聞いた。

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16歳から働いてきた

江成道子さん(51歳)は、2回の結婚、離婚を経て、5人の子どもを女手ひとつで育てあげたシングルマザー。自身の経験を生かし、貧困に陥りがちなシングルマザーを支えたいと、7年前、一般社団法人日本シングルマザー支援協会を立ち上げた。
離婚を考えている女性、すでに離婚をした女性が、自立して生きていくための相談にのっている。

「いまの日本の社会のしくみでは、たとえ働く意欲が十分にあっても、シングルマザーの経済的自立は厳しい状況にあります。私も16歳から働いてきて、仕事を辞めたことはなかったけど、それでも5人の子どもを食べさせていくのは大変でした。

ようやく経済的に安定したとき、同じように自立を果たしたシングルマザーを集めて、ランチ会をしたんです。そうしたら、なんとみんなに共通するマインドがあった。自治体の相談窓口などでは絶対に教えてくれない、シングルマザーが貧困から抜け出すために欠かせないマインド! それをみんなに伝えたいと思いました」

「私、かわいそうでしょう」になりがち

江成さんによれば、そのマインドは大きく2つ。「壁にぶち当たったときに、社会や誰かのせいにせず、自分で切りぬけようという思考」「子どもと経済のうち、どちらかというと経済に重きをおく世帯主としての思考」だ。実際には、その2つのマインドを身につけている女性は、まだまだ少ない。

外部がシングルマザーの貧困に対して「自己責任だ」とむやみに言うのはおかしい。なぜならば養育費の未払い、子どもを抱えての職に就く難しさなど多くの背景があるからだ。しかしそうではあっても、本人が「私かわいそう」と思っていたら前には進めない。実際、社会的に変えなければならない現状はもちろんあるとしても、「自分で歩く」という気持ちがとても大切だ(写真の人物は本文と関係ありません) Photo by iStock

「あえて厳しいことを言いますが、いまの日本の女性って、『離婚した私、かわいそうでしょ、だから助けて』という視点になりがちなんです。でも、経営者側から見たら、そんな一人ひとりの事情に合わせられないですよ。子どもがいるから、ひとり親家庭だから気を使えと言われても、あー面倒臭い、そんなだったら雇いたくない、となっちゃうのが現実。社会を変えるのも大切だけど、まずは女性から変わらないと」

そのためには、まずは仕事選びから変えることだ。