ALSの進行に影響はあったのか

背中の麻酔の点滴が無くなってドンドン感覚が戻ってくると、まさに「痛いだけ」との戦いになりました。手術は溶ける糸を用いて内部でしっかり縫っていただけたので、何もしなければそんなには痛くないのですが、「何かをすると痛い」のです。でも逃げるわけにはいきません、エキスパートの皆さんと、

「さぁ頑張りましょう、痛いだけですから」
「そうですよね! 痛いだけですものね!」
合言葉は『痛いだけ!』

本当に頑張りました、そして再度書きます「ドM」で良かったと(笑)。

廊下はもはや自主トレ場 写真提供/津久井教生
写真提供/津久井教生
楽にやっていそうに見えるかもしれませんが、痛いんです 写真提供/津久井教生

2020年になってしまうのではないかと思われた退院も、普通の手術入院のスピードで実現することになりそうでした。それはかなりの速さの傷口の回復力と、その他の機能の平常化です。しかしALSの進行に何か影響があるとしたら、1週間から10日くらいで手ごたえと言うか、体ごたえがあるのではないかと思っていたのですが、なかなかはっきりとした事象は現れてくれませんでした。ALSが原因の機能は低下しているのに、腫瘍摘出手術で影響を受けたところはガンガン回復していく、ちょっと複雑な気持ちになりました。

しかしながらちょっと思うところがありました、それは「呼吸機能系の低下がゆっくりになった」気がしたのです。と、同時に確かに機能低下(特に運動機能)はしているのですが、リハビリを連日したことによって、まだ動くところを有効に使って生活に必要な動作を補う感覚が生まれてきたのです。機能が元通りになったり向上したりはしないですけれど。

前回書いたとおりに「キャラクターボイス」をはじめとして声優のお仕事が出来るレベルの声が出ました。私にとって「声」を大事に維持する事が1番大切です。同時にALSの進行である筋肉が痩せて運動機能を落とす事を押さえていくべく、「リハビリ」と「自主トレーニング」を工夫して欠かさない事が必須なのでした。

2019年12月23日、順調に2週間余りで退院になりました、同時に何の心配もなくALSの治験を受けられることにはなったのですが、大きな手術だったので、まだまだ術後回復も大切です。居宅介護支援事業所の担当の方との話し合いで、しばらくは自宅でできる「リハビリ」「自主トレ」をして、ALSの進行に対しての生活の準備をしていく事になりました。

【ALSと生きる 次回は8月15日公開予定です】

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津久井さんが2020年6月に収録した弾き語り動画はこちら↓