医師以外のプロフェッショナルな軍団

医師の他のプロフェッショナルな軍団が術後に私を待ち構えていました。それは看護師さん、PT(理学療法士)さん・OT(作業療法士)さんです。本来はここにST(言語聴覚士)さんが加わるのですが、今回の手術は物理的な腫瘍摘出手術でした。術後の療養はシンプルな運動能力の回復のためにあるので、残念ながら「声」のリハビリで1番会いたかったSTさんは不参加でした。

傷口のケアやその後の状態に合わせた治療は医師ですが、機能回復や生活面でのメンテは、今の病院の入院体制ではこのプロフェッショナル軍団が中心となるのです。

「さぁ、立ち上がりましょう」
元気な看護師さんの声に背中を押されて立ち上がり、「歩行器でちょっと歩きましょう」と廊下を1往復。

「あれっ、思ったほど痛くない?」
「そうでしょ、実は術後数日は背中に点滴麻酔をしてあるので、それが効いているのです。だから今のうちに頑張ってもらって、体を動かせる人は動かした方がいいんです、もう1往復行きます?」
「さすがプロですね、そして本当にドS」

熱血タイプのPTさんは、
「ALSの障害もありますし、立って動くのは傷口にまだ負担がかかるので、まずはマシン運動で筋肉を連動させてしまいましょう! 初日は50回、ここから増やしていきますよ~っ!」

一番軽いペダルをこぐとなかなかキツイ。「これ、全身運動ですね」と言うと即座に、「座って手と足を連動させる運動ですから、思ったよりも腹筋を使わないように自分で工夫しますし、有酸素運動をやった方が傷口の回復が早いです!」

さすがプロですね、声も熱く響いてました。

2019年12月、熱血タイプのPTさんと 写真提供/津久井教生

面倒見が良く・勉強熱心なOTさんは「津久井さん、機能訓練をしながら『声』を出すとしたら、地下のリハビリエリアのそばに面談ルームがあるので、そこで少しなら出せると思います」と教えてくれました。

しかし実際に声を出すと、「思ったよりも大きいですね、ちょっとこちらへ」と別の一番はじの部屋に案内されました。

「ここから窓の方に向かって出してください、窓の向こうは道路なので大丈夫です、ちょっと声を出すのを見学して良いですか?」

さすがプロ、そして勉強熱心。

こんな素敵なメンバーに後押しされて、リハビリがスタートしました。術後の反応で39度くらいまで熱は出ましたが、解熱剤と痛み止めで押さえて、心配された感染症にもなることは無く、毎日1本ずつ体から管が外されていきました。

この調子で順調にいって欲しいと心から思っていました。