看護師さんたちとの合言葉は「痛いだけ」

では手術後、私はどんなリハビリをしたのでしょうか? 

ぶっちゃけて言うと、周囲の治療メンバーから言われたことを忠実に守って消化していっただけでした。

「リハビリを頑張った自慢」の、いわゆる自画自賛になってしまうのですが、術後のリハビリを乗り切ったことで、当初3週間の予定だった入院期間が、かなり短くなりました。「リハビリを頑張る」と、前に進む事が出来るのです! 
退院が早くなるのです(笑)!
逆に言えば、「リハビリをサボる」と悪い影響が出るという、実にシンプルな事で、つまりは「サボるな」ということです。

でも実際には大変です。

今回の手術も含めて多くのリハビリでサボりたくなる原因の1つになるのが、「傷口の痛み(もしくは怪我した箇所の痛み)」です。今回は痛みとの戦いでした。何しろお腹にはバッサリと25センチ以上の傷口があるのですから、手術直後はもちろんの事、しばらくは何をしても痛いのです。しかしながら担当の看護師さんは「すぐにでもリハビリ開始」という私の姿勢や考えを事前に告げていたために、「津久井さんすぐにリハビリを始めましょう、私ドSですから思いっきりいきますね」と手術が成功したら積極的に開始しようと決めていたようでした。そうなると、リハビリに障害があるとしたら、私の精神だけなのです。

お腹をこれだけ切って、痛くないはずはありません 写真提供/津久井教生

腫瘍摘出手術をして、その晩は待機室にいましたが、次の日の朝には一般病棟に戻りました。看護師さんはにこやかに私に言いました。

「お昼ご飯を食べて落ち着いたら、1回立ち上がって歩いてみましょうか?」

「でも傷口とか大丈夫ですか?」

不安な言葉が口をつきます。すると「大丈夫です、ものすごく丁寧に縫ってありますから、それに他の部分に問題はありませんし」。
ドSを公言する看護師さんはにこやかに告げます。

ただはっきりしているのは、術後すぐに点滴の麻酔も背中からしていますが、痛いと思います
「そうですか、痛いだけなのですね」
「はい、そうです、痛いだけです」

合言葉が決まりました「痛いだけ」です。手術の影響を跳ね返すリハビリ開始です。