「ニャンちゅう」などで知られる声優の津久井教生さんが突然転び、異変を感じたのは2019年3月の事。それから半年の検査を経て、9月にALSだと判明しました。10月にALSであることを公表してから9ヵ月近く。幸い声を出すことができ、声優の仕事や講師の仕事を続けていますが、身体が動かなくなっていき、現在は要介護4だとブログでも明かしています。

そんな津久井さんの連載「ALSと生きる」、第8回のテーマは「リハビリ」。ALSと告知される直前に判明した大きな腫瘍。その手術後、声は出ることがわかりましたが、身体はどのようになっていたのかをお伝えいただきます。その前に、少しだけ「今の心境」も教えていただきました。

2020年ニャンちゅうチーム、写真左から比嘉久美子さん、津久井さん、鎮西寿々歌さん
津久井教生さん「ALSと生きる」今までの連載はこちら

連載の前に事件について
少しだけお話させていただきます。

昨年の11月にALSの女性患者の方が、SNSで知り合った医師に薬物と思われるもので殺害された事件、ALS患者であることで世間で色々と話題になっています。
まだ捜査中であることなので「執筆している今現在の情報のうえでの気持ち」でお話させていただこうと思います。現在ALSを罹患している患者としても、なかなかデリケートな事件であり問題提起であると思います。

私が自分がぶれないためにもブログで書き残したのは「自分の行為に連動して逮捕される人がいるとしたら、それは違う」という事です。色々な考え方やそれに伴う行動はあると思いますが、それによって「逮捕者」が出るのは避けたいと思います。

そしてALS患者である舩後靖彦氏の【「死ぬ権利」より「生きる権利を守る」】は大変貴重で重みのある言葉です。氏もおっしゃっている通り「死にたい、死にたいと2年も思っていた」を乗り越えたALS患者さんのポリシーなのだと思います、ALSに罹患した後も堂々と生きる事が出来る世の中を作るという事、これは素晴らしい事です、ぜひそうあって欲しいです。今回の事で危惧なさっていることもよく理解できます。

ただ、私は進行性の病気ALSの真っただ中にいる、進行途上のALS患者です。

ALSであると告知されてから10ヵ月の、新人の患者なのです。昨年の今頃は歩いて病院に行けていたのに、1年後の現在、要介護4の状態にまで進行しました。でも私は「胃ろう」や「気管切開」や「人工呼吸器」をつける前のALS患者なのです。 この点が、装着をして「生きる権利」を選んだ方たちと違うのです。ですから【「死ぬ権利」もあるし「生きる権利」も守りたい」】なのです。「より」という言葉ではない状況にいます。人工呼吸器は延命器具ではないと私も思います、生きる権利を選んだ方たちの介護の道具で松葉杖や車椅子と同じです。気管切開も「呼吸療法」です。でもその前に、その選択をどうするかは「個人」のものだと思うのです、この事は先輩のALS患者の皆さんもご存知の事だと思います、ですからとてもデリケートな事なのです。

ただ、「今」の私は「ALSに罹患した私の思いを実践した為に、逮捕者が出るのは駄目です、その時は私を止めてください」こう思っています。

もっと事件の詳細が分かったら、そして私自身もALSの勉強がもう少しできたら、またお話したいと思います。

では前回からの続きで、リハビリのお話に戻りたいと思います。