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新作映画が17日後に配信開始…!ハリウッドに地殻変動が起きている

コロナ禍が収束しても流れは変わらない

世界的なコロナ禍の最中、ハリウッドを中心とする米国の映画業界がオンライン配信への傾斜を深めている。優に120年以上の歴史を有する映画産業が今、ビジネス・モデルの根本的な改革を迫られているようだ。

米ユニバーサル・ピクチャーズは先日、米国の映画館チェーン大手AMCシアターズとの間で「今後の新作映画は、映画館での上映開始から17日後に(インターネット経由の)オンデマンド配信が可能になる」という新たな合意に達した。

従来は約3ヵ月のタイムラグがあったが、それが大幅に短縮されることになる。

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配信だけで100億円以上稼いだ映画

今回の合意の伏線になったのが、今年4月に米国で公開された3D・CG映画「Trolls World Tour(邦題:トロールズ ミュージック パワー)」だ。2016年に全米公開された「Trolls(トロールズ)」の続編となる、この新作は今年4月に米国で公開された。

米国でコロナ感染が広がる中、「Trolls World Tour」は劇場公開と同時にオンデマンド配信され、「Apple TV」や「Amazon Prime Video」などIT系のプラットフォームを中心に19.99ドルの値段でストリーミング配信された(オンデマンドだがダウンロードできないので、ビデオ作品のレンタルに該当する)。

その3週間後、同新作映画はオンデマンド(ストリーミング)配信だけで約1億ドル(100億円以上)もの収入を稼ぎ出した。

この売上額は従来を遥かに上回るオンデマンド配信の新記録となり、ユニバーサルの関係者らを狂喜させた。同時期、米国の映画館の大半は閉鎖されていたので、事実上はオンデマンド(オンライン)配信だけで全収入を稼ぎ出したようなものだ。

しかも劇場公開では映画館と映画会社が収入を半分づつ分け合うのに対し、オンライン配信では映画会社が収入の8割を得ることができる。ユニバーサルのような映画会社にとって、オンラインの方が圧倒的に利益率が高いのだ。

 

この大成功を受け、ユニバーサル・ピクチャーズの親会社NBCユニバーサルのジェフ・シェルCEOは「今後、コロナ感染が収束して映画館が再開しても、我々は新作映画を映画館とオンデマンド配信で同時公開するだろう」と述べた。