安倍政権が「コロナ減税」にマジになってきた…菅官房長官の発言の深層

日本経済には「消費税減税」しかない
長谷川 幸洋 プロフィール

では、なぜ菅氏は答えをはぐらかしたのか。理由は1つしかない。減税を選択肢に残しておきたいからだ。だが、正直にそう答えてしまったら、世間が大騒ぎになるのは目に見えている。だから、税の建前論にとどめたのである。

選択肢を残したのは、菅氏の一存でもない。私は政権内部で「すでに減税の検討が始まっている」とみる。それほど、事態は切迫している。このまま何も手を打たずに、夏に突入すれば、飲食、観光などバタバタと倒産ラッシュが始まるのは避けられない。

余波は衆院選の時期にも影響

永田町界隈では「消費税減税に踏み切って、それを大義名分にして、秋に衆院を解散するのではないか」という憶測も飛び交っている。私は「減税の可能性はあるが、衆院解散はどうか」と思う。コロナの感染が爆発したら、解散どころではないからだ。

感染が拡大すれば、企業も消費者も生活防衛に追われる。そんな最中に衆院を解散して、内閣総理大臣を選び直すなど、国民から見れば「いったい何をしているのか。いま権力争いをしている場合か」という話になるのは当然だ。

安倍晋三首相[Photo by gettyimages]
 

解散しなくても、安倍晋三首相は来年9月に自民党総裁の任期を終える。衆院議員の任期は1カ月後の同10月までだ。安倍首相は任期満了で退任し、新しい自民党総裁が首相になって、すぐ総選挙というシナリオも考えられる。

あるいは、自民党が緊急避難として「連続3期9年まで」とする総裁規定を変えて、安倍氏が総裁に4選し、コロナ制圧に目処をつけるまで首相を務めるシナリオもあるかもしれない。いずれにせよ、経済政策も政局も鍵を握っているのは、新型コロナの行方いかんである。

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7月28日に収録、配信した「長谷川幸洋と高橋洋一の『NEWSチャンネル』」は、講談社特別編集委員の近藤大介さんをゲストにお招きし、中国問題を徹底議論しました。ぜひご覧ください。