安倍政権が「コロナ減税」にマジになってきた…菅官房長官の発言の深層

日本経済には「消費税減税」しかない
長谷川 幸洋 プロフィール

たとえば、時事通信は「消費税減税に慎重 菅官房長官」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020072900561&g=pol)、日本経済新聞は「官房長官、消費減税に慎重姿勢『社会保障に必要』」(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62028980Z20C20A7PP8000/)、NHKは「官房長官 消費税率引き下げに否定的な考え コロナ影響めぐり」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200729/k10012538501000.html)といった具合である。

いったい官房長官発言をどう読めば、こういう報道になるのか。菅氏は「消費税自体については、社会保障のために必要なものである」と語っているが「減税は考えない」などとは、一言も言っていない。

政権は減税を視野に入れている

そもそも「社会保障のために消費税が必要、という政府の考え方自体がいかがなものか」という議論もあるが、この際、それは措こう。そうだとしても、菅氏は「消費税の必要性」を語っただけで、税率の引き下げについては、一言もコメントしていないではないか。

菅義偉官房長官[Photo by gettyimages]
 

この発言を「減税に慎重」と報じるのは、記者たちの日本語読解力に問題がある、としか言いようがない。ようするに、記者の問題意識と理解力が足りない。「引き下げを検討するか」と聞いたのに、税の必要論で答えたのは、記者たちが「はぐらかされた」のだ。

菅氏は「記者もチョロいもんだ」と思ったに違いない。これだけ、分かりやすく質問をはぐらかしているのに、2の矢、3の矢が飛んでこないのだから。それだけではない。翌日の報道は「はぐらかした」と書くどころか、上に紹介したように「減税に慎重」と書いている。記者たちは「はぐらかされたことすら、気が付かない」のである。まったく鈍い。