安倍政権が「コロナ減税」にマジになってきた…菅官房長官の発言の深層

日本経済には「消費税減税」しかない
長谷川 幸洋 プロフィール

だが、日本では財政出動と言えば、財政支出拡大ばかりが多用され、減税はごく小粒でしか実施されてこなかった。支出拡大なら全体の財政規模が大きくなるが、減税だと逆に小さくなる。官僚は本能的に財政規模が小さくなるのを嫌う。

大きな政府なら、官僚の権限と差配余地が拡大し、天下り先も増えるが、小さな政府だと逆に権限は縮小、天下り先も減ってしまうからだ。取材源である霞が関べったりで、官僚に嫌われたくないマスコミも、そんな考えに同調してきた。

それを思えば、自民党内でも減税要求勢力が勢いを増してきたのは、一昔前には考えられなかった事態である。それほど、コロナの威力は強大なのだ。首相官邸も第2波がひどくなればなるほど、減税を真剣に考えざるをえない状況に追い込まれつつある。

菅氏「減税に慎重」発言の真意

そんな中、菅官房長官は29日の記者会見で消費税減税に触れた。以下のようだ。

菅義偉官房長官[Photo by gettyimages]
 

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記者:消費税の引き下げを検討する選択肢は、少しでもあるのか。

官房長官:現在、一連の補正予算などで全国民に一律10万円の給付、そして収入が減少した事業者に最大200万円の給付に加えて家賃などの支援を行うなど、総額230兆円を超える規模の対策を実施しております。その中で収入が減少した事業者については、税、社会保険料を1年間猶予しており、消費税についても納税猶予の対象になりますが、消費税自体については、社会保障のために必要なものである、と思っている(http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202007/29_a.html)。
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この発言を受けて、マスコミは判で押したように「減税に慎重姿勢」と報じた。